10月1日「年間第26主日」の朗読聖書と説教
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- Sep 25, 2023
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Updated: Oct 2, 2023
10月1日「年間第26主日」の朗読聖書と説教
一場神父から10月1日「年間第26主日」の朗読聖書と説教が届きましたので掲載します。
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小教区窓口の皆様
いつもお世話になり、ありがとうございます。
10月1日「年間第26主日」の朗読聖書と説教をお送り致します。
「ことばの祭儀」は、9月30日(土)午後7時に公開予定です。 (★9月30日(土)午前8時半追記。今回の動画はありません。次回から再開★)
よろしくお願い致します。
体調を崩しやすい時です。くれぐれもご自愛ください。皆様のためにお祈りしています。一場
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【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)
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〔10月1日/年間第26主日〕
【第一朗読/エゼキエル18・25-28】エゼキエルの預言
主は言われる。*18・25*
「お前たちは、『主の道は正しくない』と言う。聞け、イスラエルの家よ。わたしの道が正しくないのか。正しくないのは、お前たちの道ではないのか。*26*
正しい人がその正しさから離れて不正を行い、そのゆえに死ぬなら、それは彼が行った不正のゆえに死ぬのである。*27*
しかし、悪人が自分の行った悪から離れて正義と恵みの業を行うなら、彼は自分の命を救うことができる。*28*
彼は悔い改めて、自分の行ったすべての背きから離れたのだから、必ず生きる。死ぬことはない。」
【答唱詩編/詩編25・4+5a、8+9、10+14】
すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。
詩編25
*25・4*神よ、あなたの道を示し、
その小道を教えてください。
*5a*あなたの真理のうちに、
わたしを導き、さとしてください。
*8*神はあわれみ深く正義に満ち、
罪びとに道を示される。
*9*神は貧しい人を正義に導き、
へりくだる人にその道を教えられる。
*10*契約とさとしを守る人に、
神への小道はいつくしみとまことにあふれる。
*14*神をおそれる人に神は心を開き、
契約を示し、さとされる。
【第二朗読/フィリピ2・1-11】使徒パウロのフィリピの教会への手紙
皆さん、*2・1*あなたがたに幾らかでも、キリストによる励まし、愛の慰め、〝霊〟による交わり、それに慈しみや憐れみの心があるなら、*2*
同じ思いとなり、同じ愛を抱き、心を合わせ、思いを一つにして、わたしの喜びを満たしてください。*3*
何事も利己心や虚栄心からするのではなく、へりくだって、互いに相手を自分よりも優れた者と考え、*4*
めいめい自分のことだけでなく、他人のことにも注意を払いなさい。*5*互いにこのことを心がけなさい。それはキリスト・イエスにもみられるものです。
*6*キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、*7*
かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、*8*
へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。*9*このため、神はキリストを高く上げ、あらゆる名にまさる名をお与えになりました。
*10*こうして、天上のもの、地上のもの、地下のものがすべて、イエスの御名にひざまずき、*11*
すべての舌が、「イエス・キリストは主である」と公に宣べて、父である神をたたえるのです。
【福音朗読/マタイ21・28-32】
アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。
マタイによる福音
そのとき、イエスは祭司長や民の長老たちに言われた。*21・28*
「あなたたちはどう思うか。ある人に息子が二人いたが、彼は兄のところへ行き、『子よ、今日、ぶどう園へ行って働きなさい』と言った。*29*
兄は『いやです』と答えたが、後で考え直して出かけた。*30*
弟のところへも行って、同じことを言うと、弟は『お父さん、承知しました』と答えたが、出かけなかった。*31*
この二人のうち、どちらが父親の望みどおりにしたか。」彼らが「兄の方です」と言うと、イエスは言われた。「はっきり言っておく。徴税人や娼婦たちの方が、あなたたちより先に神の国に入るだろう。
*32*
なぜなら、ヨハネが来て義の道を示したのに、あなたたちは彼を信ぜず、徴税人や娼婦たちは信じたからだ。あなたたちはそれを見ても、後で考え直して彼を信じようとしなかった。」
【説教】
「子よ、今日、ぶどう園へ行って働きなさい。」
今日の福音の、この言葉は、私たち一人ひとりに向けられています。神の子とされている私たちは、この言葉を受けて、主イエスとともに派遣されます。
私たちが働くよう招かれている「ぶどう園」は、「神の国」のことです。私たちにとって、神の国とは、今生きているところです。そこで、まわりの人とともに生きていくことです。生きとし生けるものの幸いを願いながら、ともに生きていくところです。戦争や貧困のない別の世界が、神の国ではないのです。暴力や無関心をこの世界からなくしていくことが、そのためにともに働いていくことが、神の国なのです。
私たちは、ぶどう園で、「働き」ます。主イエスとともに働きます。私たちが働く時、この世界は、ぶどう園になります。私たちが働く時、人々は、この世界がぶどう園であることに気づきます。私たちの働きは、さまざまです。大切なのは、自分の働きを福音にすることです。自分の働きが誰かに喜びをもたらすことができれば、それは福音となります。ささくれた心を、一瞬でも、優しい気持ちにする言葉は、行いは、沈黙は、この世界をぶどう園にします。自分のために祈ってくれている人がいる。そんな思いが、誰かに平和をもたらす時、祈りは、平和の福音になります。
そして、まわりの人の働きに福音を見いだす時、そこにぶどう園が実現しています。たくさんの人が福音を宣べ伝えています。先日、バスに乗った時、運転手と一人の乗客の間に、こんなやりとりがありました。その乗客は、ICカードをチャージしようとしましたが、うまく行きませんでした。「あれ、できない」と焦る客に、運転手は、笑顔で、励ますように、「もう一度チャレンジしてみてください」と言いました。そして、チャージできました。運転手は、「よかった」とうれしいそうに言いました。この出来事こそ、福音ではないでしょうか。主イエスとともに歩む時、私たちは、この世界に、福音を見いだすことができます。福音を体験した私たちは、感謝の思いで満たされます。この感謝の思いも、福音の実現であり、ぶどう園の実りではないでしょうか。感謝の言葉、感謝の思いがあるところこそ、神の国ではないでしょうか。
しかし、この世界がぶどう園だなどと言うことはできないと思ってしまうことがあります。今日の福音に登場する兄のように、「いやです」と言いたくなることがあります。ぶどう園で働きたくないと思うことが、たびたびあります。ぶどう園などないと、思わず叫びたくなることがあります。どう働いたらよいのか、わからなくなることがあります。ヨハネが示した「義の道」を宣べ伝えたら、空気を読まない者とされ、はじき出されるのではないか。義の道を歩む前に、同調圧力で圧し潰されるのではないか。そんな恐れにとらわれることがあります。
父親に「いやです」と答えた兄は、「後で考え直し」ます。考え直すということは、よく考えるということです。考えることは、とても大切です。思考停止に陥りやすい今日、私たちは、考えなければなりません。考えなければ、考え直すこともできません。考えずに、「承知しました」と答えず、じっくりと考えるために、「いやです」と答えてよいと思います。「いやです」と答えて、時間をかけて考えるべきです。考え抜くことが、考え直すことにつながります。というより、考え直すとは、考え抜くということではないでしょうか。
私たちは今、「考え直す」時に来ています。私たちが過ごしている「すべてのいのちを守るための月間」は、この地球と世界の危機に目を向ける時です。そして、考え直して、義の道を歩む時です。もちろん、一人で歩むことはできません。誰かとともに歩まなければ、ぶどう園で働くことはできません。10月4日から始まる世界代表司教会議総会は、この「ともに歩むこと」がテーマになっています。この会議を、遠いローマでの会議と思わず、私たちの歩みとしてとらえたいと思います。そして、この会議に聖霊の力強い働きがありますように、心を合わせて祈りたいと思います。教会が、世界が、すべてのいのちが、ともに歩む道を見いだせますよう、心から祈りたいと思います。そのために、皆がともに考えることができるよう、対話をしながら、考えることができるよう、真剣に祈りたいと思います。そして、「考え直して」、ぶどう園で、ともに働きたいと思います。



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