9月24日「年間第25主日」の朗読聖書と説教
- kiotanblock
- Sep 18, 2023
- 7 min read
9月24日「年間第25主日」の朗読聖書と説教
一場神父から9月24日「年間第25主日」の朗読聖書と説教が届きましたので掲載します。
◆◆◆
小教区窓口の皆様
いつもお世話になり、ありがとうございます。
9月24日「年間第25主日」の朗読聖書と説教をお送り致します。
「ことばの祭儀」は、9月23日(土)午後7時に公開予定です。
よろしくお願い致します。
涼しくなってきましたが、体調を崩さないように、ご自愛ください。皆様のためにお祈りしています。一場
◆◆◆
【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)
◆◆◆
〔9月24日/年間第25主日〕
【第一朗読/イザヤ55・6-9】イザヤの預言
*55・6*主を尋ね求めよ、見いだしうるときに。
呼び求めよ、近くにいますうちに。
*7*神に逆らう者はその道を離れ、
悪を行う者はそのたくらみを捨てよ。
主に立ち帰るならば、主は憐れんでくださる。
わたしたちの神に立ち帰るならば
豊かに赦してくださる。
*8*わたしの思いは、あなたたちの思いと異なり、
わたしの道はあなたたちの道と異なると主は言われる。
*9*天が地を高く超えているようにわたしの道は、
あなたたちの道をわたしの思いは
あなたたちの思いを、高く超えている。
【答唱詩編/詩編145・1+3、8+9、17+18】
いのちあるすべてのものに、主は食物を恵まれる。
詩編145
*145・1*神よ、わたしはあなたをあがめ、
世々にあなたの力をたたえる。
*3*すべてを越える神、
その偉大さははかりしれない。
*8*あなたは恵みとあわれみに満ち、
怒るにおそく、いつくしみ深い。
*9*その恵みはすべてのものに及び、
いつくしみは造られたものの上にある。
*17*神の行われることはすべて正しく、
そのわざはいつくしみに満ちている。
*18*助けを求めるすべての人と、
心から祈る人のそばに神はおられる。
【第二朗読/フィリピ1・20c-24、27a】使徒パウロのフィリピの教会への手紙
皆さん、*1・20c*生きるにも死ぬにも、わたしの身によってキリストが公然とあがめられるようにと切に願い、希望しています。*21*
わたしにとって、生きるとはキリストであり、死ぬことは利益なのです。*22*
けれども、肉において生き続ければ、実り多い働きができ、どちらを選ぶべきか、わたしには分かりません。*23*
この二つのことの間で、板挟みの状態です。一方では、この世を去って、キリストと共にいたいと熱望しており、この方がはるかに望ましい。*24*
だが他方では、肉にとどまる方が、あなたがたのためにもっと必要です。
*27a*ひたすらキリストの福音にふさわしい生活を送りなさい。
【福音朗読/マタイ20・1-16】
アレルヤ、アレルヤ。神よ、わたしたちの心を開き、あなたの子が語られることに心を向けさせてください。アレルヤ、アレルヤ。
マタイによる福音
そのとき、イエスは弟子たちにこのたとえを語られた。*20・1*
「天の国は次のようにたとえられる。ある家の主人が、ぶどう園で働く労働者を雇うために、夜明けに出かけて行った。*2*
主人は、一日につき一デナリオンの約束で、労働者をぶどう園に送った。*3*また、九時ごろ行ってみると、何もしないで広場に立っている人々がいたので、*4*
『あなたたちもぶどう園に行きなさい。ふさわしい賃金を払ってやろう』と言った。*5*
それで、その人たちは出かけて行った。主人は、十二時ごろと三時ごろにまた出て行き、同じようにした。*6*
五時ごろにも行ってみると、ほかの人々が立っていたので、『なぜ、何もしないで一日中ここに立っているのか』と尋ねると、*7*
彼らは、『だれも雇ってくれないのです』と言った。主人は彼らに、『あなたたちもぶどう園に行きなさい』と言った。*8*
夕方になって、ぶどう園の主人は監督に、『労働者たちを呼んで、最後に来た者から始めて、最初に来た者まで順に賃金を払ってやりなさい』と言った。*9*
そこで、五時ごろに雇われた人たちが来て、一デナリオンずつ受け取った。*10*
最初に雇われた人たちが来て、もっと多くもらえるだろうと思っていた。しかし、彼らも一デナリオンずつであった。*11*
それで、受け取ると、主人に不平を言った。*12*
『最後に来たこの連中は、一時間しか働きませんでした。まる一日、暑い中を辛抱して働いたわたしたちと、この連中とを同じ扱いにするとは。』*13*
主人はその一人に答えた。『友よ、あなたに不当なことはしていない。あなたはわたしと一デナリオンの約束をしたではないか。*14*
自分の分を受け取って帰りなさい。わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ。*15*
自分のものを自分のしたいようにしては、いけないか。それとも、わたしの気前のよさをねたむのか。』*16*
このように、後にいる者が先になり、先にいる者が後になる。」
【説教】
先週の福音のたとえは、1万タラントンや100デナリオンといった大きな額のお金の話しでした。今日の福音のたとえは、「1デナリオン」という額のお金の話しです。「1デナリオン」は、私たちが一日を生きていくために必要なものを表しています。私たちは、毎日、1デナリオンを必要としています。1デナリオンがあれば、一日を生きることができます。
今日の福音は、「天の国」のたとえです。主イエスは、天の国では、すべての人が1デナリオンを与えられると言っておられます。すべてのいのちが、日々、生きるために必要なものが与えられていると説いておられます。たとえの中で、「約束」という言葉が出てきます。神は、私たちと約束されます。すべてのいのちが生きていくために必要なものを、毎日、与えると。私たちの神は、私たちとの約束を守られます。神は、私たちとの約束を破ることができない方です。そして、私たち人間がこの約束を守る時、天の国は実現しているということになります。すべての人がこの約束を守る時、天の国が完成します。ですから、「すべてのいのちを守る」ことは、神との約束を守ることなのです。
しかし、今の世界で、「一日につき1デナリオンの約束」は守られていないのです。一日で百デナリオンをはるかに超えるお金を受け取っている者がいます。その一方で、一日必死に働いても、1レプトンも得られない人がいます。1レプトンは、1デナリオンの128分の1の額です。決して誇張ではありません。この世界の現実なのです。約束を破っているのは、人間の側なのです。一日生きていくためには、「1デナリオン」あれば十分です。もしそれで足りないならば、「天の国」を拒否していることになります。「もっと多くもらえるだろう」という期待は、天の国を待ち望むことと真逆なのです。
そして、今日のたとえでは、「まる一日、暑い中を辛抱して働いた」労働者が、「不平を言」います。自分たちより短い時間しか働かなかった労働者も、同じ「1デナリオン」を得たからです。「同じ扱いにするとは」という不平です。この不平は、人間として理解できます。当然の不平です。私も、同じ不平を言うことがあります。しかし、私たちが理不尽だと思う、この事こそ、「天の国」そのものなのです。神の愛の現実なのです。天の国とは、神の愛とは、すべての人が「同じ扱い」を受けるところなのです。自分よりも働きが少ない人も、毎日、幸せに生きてほしい。すべてのいのちが、幸せであってほしいと。そんな願いに満ちているところが、天の国なのです。
今日のたとえで、もう一つ、私たちが真剣に考えなければならない言葉があります。それは、「誰も雇ってくれないのです」という言葉です。短い時間しか働かなかった人たちの言葉です。この人たちは、仕事を探していたのです。働きたくても、働けなかったのです。私たちは、働きたくても働けない人の苦しみを理解したいと思います。この世界が、働きたい人が働ける世界となるよう祈りたいと思います。そのための努力をしたいと思います。
今日は、「世界難民移住移動者の日」です。今年の教皇メッセージのテーマは、「移住かとどまるかを選択する自由」です。今日の世界では、あまりにも多くの人が、移住や移動の自由を、そして、とどまる自由を奪われています。教皇メッセージでは、次のように述べられています。
「現代のやむにやまれぬ移住の明らかな要因には、迫害、戦争、気象現象、貧困があります。移民難民は、貧困、恐怖、絶望から逃れるのです。こうした原因を根絶し、
やむにやまれぬ移住に終止符を打つには、わたしたち全員が、おのおのの責任に応じて、それぞれが協力して行う取り組みが求められます。
わたしたちに何ができるのか、また、わたしたちは何をやめなければならないのか、心に問うことから始まる取り組みです。軍拡競争、
経済的植民地化、他国からの資源収奪、共通の家の破壊、それらをやめるため力を尽くさなければなりません。」
「すべてのいのちを守るための月間」を過ごしている私たちは、この呼びかけに応えたいと思います。「この最後の者にも…支払ってやりたいのだ」という神の愛に応えたいと思います。すべての人が、とどまりたいところにとどまって、安心して、天の国のために働くことができるように、祈りたいと思います。すべての人が、移住したいところに移住でき、喜びのうちに、ともに生きることができる、ともに働くことができる世界が実現するように、努力したいと思います。「最後の者」となっても安心して生きていける「天の国」が来ますよう、心から祈りたいと思います。
※2023年「世界難民移住移動者の日」教皇メッセージ↓
https://www.cbcj.catholic.jp/2023/07/14/27388/



Comments