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10月20日「年間第29主日」の聖書朗読と説教

10月20日「年間第29主日」の聖書朗読と説教


 一場神父から上記説教等が届きましたので掲載します。


◆◆◆


小教区窓口の皆様


いつもお世話になり、ありがとうございます。


10月20日「年間第29主日」の聖書朗読と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、20日(日)午前7時に公開予定です。よろしくお願い致します。


季節の変わり目で、体調を崩しやすい時です。くれぐれも、お気をつけください。皆様のために、いつもお祈りしています。


一場


◆◆◆


【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)



◆◆◆


〔10月20日/年間第29主日〕

【第一朗読/イザヤ53・10-11】(イザヤの預言)


*53・10*病に苦しむこの人を打ち砕こうと主は望まれ、

彼は自らを償いの献げ物とした。

彼は、子孫が末永く続くのを見る。

主の望まれることは彼の手によって成し遂げられる。


*11*彼は自らの苦しみの実りを見

それを知って満足する。

わたしの僕は、多くの人が正しい者とされるために

彼らの罪を自ら負った。

【答唱詩編/詩編33・4+5、14+15、20+21】


神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。

(詩編33)


*33・4*神のことばはただしく、

そのわざにはいつわりがない。

*5*神は正義と公平を愛し、

いつくしみは地に満ちている。


*14*神はその住まいから、

地に住むすべての人に目を注がれる。

*15*神はひとりひとりの心をつくり、

そのわざを見抜かれる。


*20*神はたて、神はすくい、

わたしたちは神を待ち望む。

*21*心は、神のうちにあってよろこび、

とうといその名により頼む。

【第二朗読/ヘブライ4・14-16】



(ヘブライ人への手紙)


皆さん、*4・14*

わたしたちには、もろもろの天を通過された偉大な大祭司、神の子イエスが与えられているのですから、わたしたちの公に言い表している信仰をしっかり保とうではありませんか。

*15*この大祭司は、わたしたちの弱さに同情できない方ではなく、罪を犯されなかったが、あらゆる点において、わたしたちと同様に試練に遭われたのです。

*16*だから、憐れみを受け、恵みにあずかって、時宜にかなった助けをいただくために、大胆に恵みの座に近づこうではありませんか。

【福音朗読/マルコ10・35-45】


アレルヤ、アレルヤ。人の子が来たのは仕えるため、多くの人の贖いとして自分の命を与えるため。アレルヤ、アレルヤ。

(マルコによる福音)


そのとき、*10・35*ゼベダイの子ヤコブとヨハネが進み出て、イエスに言った。「先生、お願いすることをかなえていただきたいのですが。」*36*

イエスが、「何をしてほしいのか」と言われると、*37*

二人は言った。「栄光をお受けになるとき、わたしどもの一人をあなたの右に、もう一人を左に座らせてください。」*38*

イエスは言われた。「あなたがたは、自分が何を願っているか、分かっていない。このわたしが飲む杯を飲み、このわたしが受ける洗礼を受けることができるか。」

*39*彼らが、「できます」と言うと、イエスは言われた。「確かに、あなたがたはわたしが飲む杯を飲み、わたしが受ける洗礼を受けることになる。*40*

しかし、わたしの右や左にだれが座るかは、わたしの決めることではない。それは、定められた人々に許されるのだ。」*41*

ほかの十人の者はこれを聞いて、ヤコブとヨハネのことで腹を立て始めた。


*42*

そこで、イエスは十二人を呼び寄せて言われた。「あなたがたも知っているように、異邦人の間では、支配者と見なされている人々が民を支配し、偉い人たちが権力を振るっている。

*43*しかし、あなたがたの間では、そうではない。あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、*44*

いちばん上になりたい者は、すべての人の僕になりなさい。*45*

人の子は仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのである。」



[説教]


私たちは今週も、共同体として、受難への道を、主イエスとともに、歩んでいます。そして、この道を歩むことで、福音を宣べ伝えています。主に従って、主とともに生きることで、福音という生き方を証しています。


主イエスは今日、「皆に仕える者になり、…すべての人の僕になりなさい」という福音を分かち合っておられます。主は、この御言葉で、私たちに命令をしているのではなく、私たちを招いておられるのです。神の国の喜びを分かち合おうとされているのです。


今日の福音書に登場する弟子、ヤコブとヨハネは、支配者、権力者になることを望んでいます。まわりを自分の思い通りに動かしたいと望んでいます。こうした望みを持つことは、人間である以上、自然なことであると言えます。ここで、まわりを自分の思い通りに動かそうとする時、何が起こるのかかを考えてみたいと思います。まず、まわりが、いつも、自分の思い通りに動くとします。その時、自分の思いが変えられるということがなくなります。まわりが動きますから、自分が動かされるということがなくなります。まわりは自分の言うことをすべてきいてくれますから、まわりの言うことに耳を傾ける必要がなくなります。まわりが自分を理解してくれますから、自分が理解しなくてもよいということになります。こうして、変わらない人間、動かない人間、何も分かっていない人間となってしまいます。こうした人間となる時、生きている人間と言えるでしょうか。そして、まわりが自分の思い通りにならないとします。その時、自分だけが大切な存在となります。まわりはすべて、大切でないもの、価値がないものになります。自分の存在を脅かすものとなります。そして、そこには、言葉であれ、行いであれ、無視や無関心であれ、暴力が生まれます。権力が暴力になります。このように考える時、まわりを自分の思い通りに動かそうとすることは、自分のいのちであれ、まわりのいのちであれ、いのちの否定、いのちの破壊となるのです。


主イエスは、すべての人が、すべてのいのちが生きることを望んでおられます。ともに生きることを望んでおられます。すべてのいのちが、生きる喜びを感じることを望んでおられます。そのために、今日、私たちが、まわりに「仕える」ことを勧めておられます。仕えるとは、まわりのために、自分が常に変わることです。自分が動くことです。まわりの声に、じっと耳を傾けることです。まわりのいのちの生き方を知り、生きていることの素晴らしさに、生きているという栄光に感動することです。生きていてくれることに感謝することです。そして、自分が仕える時、自分に仕えている、まわりの人が、まわりのいのちが見えてきます。コロナ禍の時、私たちは、まわりのいのちを大切にするために、まわりのいのちに仕えるために、自分の生活を犠牲にしました。その時、私たちは気づきました。多くの人が、仕えてくれているから、生きることができると気づきました。


私たちが主イエスとともに歩んでいる道は、復活への道でもあります。復活するとは、仕え合うようになるということではないでしょうか。仕え合うことで、すべてのいのちが生きるようになるということではないでしょうか。主が歩んでおられる道は、死と復活の道です。そして、主は、「仕えられるためではなく、仕えるため」の道を歩んでおられるます。一部の人に仕えることを押しつけることは、主が十字架上で亡くなられたように、死を押しつけることとなります。しかし、すべての人が仕える者となる時、皆が仕え合う時、復活が実現することとなります。仕える喜びという栄光に満たされることになります。主の右と左に座るということは、仕える喜びを、主と分かち合うということなのです。そして、誰でも、この喜びを分かち合うことができるのです。誰もが、主の右と左に座るように招かれているのです。


今日は、「世界宣教の日」です。この日ための教皇メッセージで、次のように述べられています。「すべての造られたものに福音をのべ伝えるという宣教には、

必然的に、そこで告げられているかたと同じ姿勢がなければなりません。…宣教する弟子たちはそれを、自身にもたらされた聖霊の実である、喜び、寛容、親切

をもって行うのです。押しつけず、無理強いせず、改宗を強要せずに、神の流儀、神のなさり方の映しとして、必ず寄り添いの心、思いやり、

優しさをもって宣教するのです。」私たちの福音宣教は、すべてのいのちに仕えることなのです。福音を押しつけることで、すべてのいのちを教会の思い通りにすることではありません。すべてのいのちに仕えることで、仕える喜びという福音を宣べ伝えることなのです。出会う人すべてに、仕える喜びに加わるように呼びかけることなのです。



※2024年「世界宣教の日」教皇メッセージ(2024.10.20) | カトリック中央協議会↓


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