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11月24日「王であるキリスト」の聖書朗読と説教

11月24日「王であるキリスト」の聖書朗読と説教


 一場神父から上記説教等が届きましたので掲載します。


◆◆◆


京丹ブロックの皆様


いつもお世話になり、ありがとうございます。


11月24日「」の聖書朗読と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、24日(日)午前7時に公開予定です。よろしくお願い致します


年間最後の主日です。一年の歩みに感謝しながら、ともに祝いましょう。皆様のためにお祈りしています。


一場


◆◆◆


【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)



◆◆◆


〔11月24日/王であるキリスト〕

【第一朗読/ダニエル7・13-14】



(ダニエルの預言)


*7・13*夜の幻をなお見ていると、

見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り

「日の老いたる者」の前に来て、そのもとに進み

*14*権威、威光、王権を受けた。

諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え

彼の支配はとこしえに続き

その統治は滅びることがない。

【答唱詩編/詩編93・1+2、3+4、5+栄唱】


神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。

(詩編93)


*93・1*神は王。栄光に満ち、

偉大な力を身に帯びておられる。

*2*神は世界をゆるぎなく建て、

とこしえに王座をすえ、永遠に座しておられる。


*3*湖の流れは声をあげる。

湖の流れはどよめきの声をあげる。

*4*とどろく海、さかまく波にまさり、

すべてを越える神は力強い。


*5*神よ、あなたのことばは変わることなく、

あなたの家はとこしえにとうとい。

*栄唱*栄光は父と子と聖霊に。

初めのように今もいつも世々に。アーメン。

【第二朗読/黙示録1・5-8】



(ヨハネの黙視)


*1・5*証人であり、誠実な方、死者の中から最初に復活した方、地上の王たちの支配者、イエス・キリストから恵みと平和があなたがたにあるように。

わたしたちを愛し、御自分の血によって罪から解放してくださった方に、*6*

わたしたちを王とし、御自身の父である神に仕える祭司としてくださった方に、栄光と力が世々限りなくありますように、アーメン。


*7*見よ、その方が雲に乗って来られる。

すべての人の目が彼を仰ぎ見る、

ことに、彼を突き刺した者どもは。

地上の諸民族は皆、彼のために嘆き悲しむ。


然り、アーメン。


*8*神である主、今おられ、かつておられ、やがて来られる方、全能者がこう言われる。「わたしはアルファであり、オメガである。」

【福音朗読/ヨハネ18・33b-37】



(ヨハネによる福音)


そのとき、*18・33b*ピラトはイエスに、「お前がユダヤ人の王なのか」と言った。*34*

イエスはお答えになった。「あなたは自分の考えで、そう言うのですか。それとも、ほかの者がわたしについて、あなたにそう言ったのですか。」*35*

ピラトは言い返した。「わたしはユダヤ人なのか。お前の同胞や祭司長たちが、お前をわたしに引き渡したのだ。いったい何をしたのか。」*36*

イエスはお答えになった。「わたしの国は、この世には属していない。もし、わたしの国がこの世に属していれば、わたしがユダヤ人に引き渡されないように、部下が戦ったことだろう。しかし、実際、わたしの国はこの世には属していない。」

*37*

そこでピラトが、「それでは、やはり王なのか」と言うと、イエスはお答えになった。「わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」



[説教]


私たちは今日、神の国の王であるキリストに招かれて、共同体として、集まっています。これから、私たちの王が与えてくださる、私たちの毎日の歩みを支える、いのちの御言葉を分かち合いたいと思います。


今日の福音で、王であるキリストは、はっきりと宣言されます。「わたしの国は、この世には属していない。」キリストが王として治める国は、神の国と呼ばれています。この世の国とは、全く異なります。神の国には、領土がありません。だから、領土を巡っての争いはありません。この国にあるのは、愛によるつながりです。このつながりは、国境のように、閉ざされておらず、開かれたままです。愛のつながりを破壊する争いなどは、決して起こりません。神の国には、国籍というものもありません。「私は愛されている」と喜べることが、「私も愛したい」と望めることが、この国で生きていることの証明です。この国には、秩序を守る法律などもありません。希望と信頼があるだけです。神は、どのような時も愛してくださるという信頼です。誰もが愛せるはずだという希望です。愛を信じられなくても、実際に愛せなくても、裁かれ、罰せられることはありません。愛を信じなくても、愛され続けます。愛せない時は、愛への招きがあるだけです。愛することの喜びへの招きがあるだけです。いつか愛せるようになるという励ましがあるだけです。


王であるキリストの御言葉は、さらに続きます。「もし、わたしの国がこの世に属していれば…部下が戦ったことだろう。」この世の国は、国を守るために、武力を持っています。国を守るためという理由で、今も、戦闘が続いています。しかし、キリストの国では、武力による戦いはありません。愛があるだけです。王であるキリストは、一切の武器を持っておられません。ひたすら、愛し続けておられます。だから、十字架につけられているのです。十字架は、王であるキリストの愛そのものなのです。愛である十字架の前では、核兵器も無力となるのです。


神の国は、この世に属していませんが、この世の真っただ中にあります。王であるキリストは、「真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来」られました。そして、今も、私たちとともにおられ、真理を証ししておられます。この世の真っただ中で、真理を生きておられます。私たちにとって、真理とは、主イエス・キリストご自身です。そして、私たちは、主を知るために、聖書に親しむように招かれています。聖書に親しむために、私たちは、御言葉を読むだけでなく、御言葉に従って生きるように励まされいます。真理とは、知るだけでなく、生きることなのです。真理であるキリストのように生きること、キリストとともに生きることなのです。生きようとすることなのです。私たちが、真理を生きようとする時、そこに、神の国があります。真理の国があります。そして、真理は、多くの場合、この世で受け入れられません。真理を語り、生きる人は、空気を読まないとされ、疎まれます。酷い場合、偽りの情報を拡散しているとされ、社会から排除されます。主イエスは、真理そのものとなられたので、十字架につけられています。十字架は、真理そのものなのです。


今日は、「世界青年の日」です。今年の教皇メッセージでは、人生という旅について、次のように述べられています。「わたしたちの人生は旅であり、それは、

自分自身を超えようとする旅、幸福を探し求める旅です。とくにキリスト者の人生は、わたしたちの救いであり、すべての善の充満である、神へと向かう旅です。

」私たちの幸福とは、真の愛です。私たちの真理とは、私たちの救いである神です。この、真の、幸福と真理を求める旅には、聖年たちだけが招かれているのではありません。私たち皆が、招かれています。神の国は、愛の旅、真理の旅と言うことができます。神の国は、この世に属していません。だから、旅を続けるのです。そして、この世の真っただ中に来ているからこそ、この世の真っただ中を、王であるキリストに従って、ともに歩み続けるのです。この世を旅する時、さまざまな困難に遭遇します。そして、疲れます。旅を止めて、今いる場所に留まりたくなります。しかし、歩み続けましょう。歩みを止めてしまえば、そこは、この世の国です。歩み続ければ、神の国で生きていることになります。元気に活動をすることが難しい時もあります。そのような時は、祈りによって、旅に参加したいと思います。「アルファであり、オメガである」主に祈りをささげたいと思います。その時、初めであり、終わるである主は、私たちとともに歩んでくださいます。そして、私たちが、愛と真理である神を求めて歩み続ける姿は、この世界の、確かな希望となります。希望の巡礼者として、ともに歩んで行きましょう。



※第39回「世界青年の日」教皇メッセージ(2024.11.24) | カトリック中央協議会


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