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12月24日「主の降誕(夜半)」の朗読聖書と説教

  • kiotanblock
  • Dec 20, 2023
  • 6 min read

12月24日「主の降誕(夜半)」の朗読聖書と説教

 一場神父から12月24日「主の降誕(夜半)」の朗読聖書と説教が届きましたので掲載します。

◆◆◆

小教区窓口の皆様

いつもお世話になり、ありがとうございます。

「主の降誕(夜半)」の朗読聖書と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、12月24日(土)午後9時に公開予定です。

よろしくお願い致します。

良いクリスマスをお迎えください。厳しい寒さが続いています。どうぞご自愛ください。皆様のために、毎日祈っています。

一場

◆◆◆

【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)

◆◆◆

〔12月25日/主の降誕(夜半)〕

【第一朗読/イザヤ9・1-3、5-6】イザヤの預言

9・1闇の中を歩む民は、大いなる光を見、

死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。

2あなたは深い喜びと大きな楽しみをお与えになり、

人々は御前に喜び祝った。

刈り入れの時を祝うように

戦利品を分け合って楽しむように。

3彼らの負う軛、肩を打つ杖、虐げる者の鞭を

あなたはミディアンの日のように折ってくださった。

ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。

5ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。

権威が彼の肩にある。

その名は、「驚くべき指導者、力ある神

永遠の父、平和の君」と唱えられる。

6ダビデの王座とその王国に権威は増し

平和は絶えることがない。

王国は正義と恵みの業によって

今もそしてとこしえに、立てられ支えられる。

万軍の主の熱意がこれを成し遂げる。

【答唱詩編/詩編96・1+2、11+12、9+13】

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編96

96・1新しい歌を神にうたえ。

世界よ、神に向かって喜び歌え。

2神の名をたたえて歌い、

日ごとに救いを告げ知らせよ。

11天地は喜びにあふれ、

海とそこに満ちるものは叫びをあげる。

12野とそこにあるものはどよめき、

森の木々は声をあげて、神の前で歌う。

9聖なるものが現れるとき、神をおがめ。

世界よ、神をおそれよ。

13神は来られる、世界をさばきに来られる。

正義とまことをもって、すべての民をさばかれる。

【第二朗読/テトス2・11-14】使徒パウロのテトスへの手紙

愛する者よ、*2・11*すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました。*12*

その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え、*13*

また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。*14*

キリストがわたしたちのために御自身を献げられたのは、わたしたちをあらゆる不法から贖い出し、良い行いに熱心な民を御自分のものとして清めるためだったのです。

【福音朗読/ルカ2・1-14)

アレルヤ、アレルヤ。大きな喜びをあなたがたに告げ知らせよう。きょうわたしたちに救い主が生まれた。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

2・1そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。*2*

これは、キリニゥスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。*3*人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。*4*

ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。*5*

身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。*6*ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、*7*

初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。

8その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。*9*

すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。*10*

天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。*11*

今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。*12*

あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」*13*

すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。

14「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」

【説教】

「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」

この福音は最初、「羊飼いたち」に伝えられます。「あなたがたために」という言葉からわかるように、この福音は、羊飼いたちのための福音です。しかし、この福音は、「民全体に与えられる大きな喜び」なのです。民全体に「告げ」られなければならない福音なのです。この聖なる夜、私たちは、羊飼いたちに加わるように招かれているのです。私たち一人ひとりが、羊飼いとなって、主の降誕の喜びを宣べ伝えていくのです。

今夜の福音には、ローマ皇帝アウグストゥスや、シリア州の総督キリニウスが登場しています。皇帝や総督も、「勅令」という形で、民全体に告げます。「登録をせよ」という命令を伝えます。民全体から、税金を徴収するための登録です。ローマ帝国に秩序を維持し、帝国を繁栄させるために強制される登録です。税金は、権力者たちや富んでいる者たちを守るために徴収されます。民全体をおさえつけるために徴収されます。

羊飼いたちが宣べ伝える福音は、すべてのいのちを守るメシアの誕生を告げる福音です。羊飼いは、羊とともに旅をします。羊とともに歩き、羊とともに寝ます。いつも羊とともにいて、羊のいのちを守ります。いつも羊の数を数え、羊が失われないように注意します。羊飼いが羊のいのちを守るように、主メシアは、すべてのいのちを守るためにお生まれになったのです。主イエス・キリストは、私たちの羊飼いなのです。すべてのいのちとともに歩んでくださる、羊飼いなのです。

私たちには、主イエス・キリストという羊飼いが与えられています。私たちは、福音を宣べ伝える羊飼いであると同時に、弱い羊なのです。主キリストに守られ、まわりの人に助けられ、まわりのいのちに支えられなければ生きていけない、弱い羊なのです。

コロナ禍の体験を通して、私たちは誰もが、弱い羊であるということを学びました。コロナ禍という「闇の中を歩む」ことで、すべてがつながり、ともに歩んでいるという「大いなる光」を体験しました。しかし、あの体験は、忘れられつつあります。皆が弱い羊であることが忘れられつつあります。強い狼にならなければ、生き残ることができない。そんな思いが、この世界を覆いつつあります。しかし、私たちは、強い狼になることはできません。私たちは、強い狼になろうとして戦う時、弱い羊として傷つき、いのちを失うのです。強い狼になろうとする人が増えれば増えるほど、犠牲となる弱い羊も増えていくのです。それが、ウクライナやガザで起こっていることなのです。

ローマ帝国は、軍事力によって平和を実現しようとしました。「ローマの平和」と呼ばれる平和です。主キリストが与えてくださる平和、私たちが今夜分かち合う平和は、「ローマの平和」ではありません。「羊飼いの平和」、「羊の平和」です。一人のいのちも失われてはならないという、強い決意によって実現する平和です。すべてのいのちを大切にしようという、愛に満ちた熱意によって得られる平和です。弱いままで生きていける、皆がともに生きていけるという、信頼がもたらす平和です。神とすべてのいのちへの信頼がもたらす平和です。

この聖なる夜、「布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子」をじっと見つめましょう。弱い羊となって、見つめましょう。そこには、誰よりも強いからこそ、徹底して弱くなられた神の子、イエス・キリストの姿があります。すべてを信頼しているからこそ、安心して、弱いままで寝ておられる主メシアの姿があります。そこには、勇気をもって弱さを生きることで、実現している平和があります。まことの平和キリストがおられます。私たちの平和であるキリストが、今、私たちとともにおられることを、心から感謝して、賛美をささげましょう。天上の教会、世界中の教会とともに、賛美をささげましょう。

「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」


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