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12月25日「主の降誕(夜半)」の聖書朗読と説教

  • kiotanblock
  • Dec 21, 2024
  • 7 min read

12月25日「主の降誕(夜半)」の聖書朗読と説教


 一場神父から上記説教等が届きましたので掲載します。


◆◆◆


京丹ブロックの皆様


いつもお世話になり、ありがとうございます。


12月25日「主の降誕(夜半)」の聖書朗読と説教をお送り致します。「主の降誕

ことばの祭儀」は、12月25日(水)午前7時に公開予定です。よろしくお願い致します。


皆様、良い降誕祭をお迎えください。皆様のためにお祈りしています。


一場


◆◆◆


【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)



◆◆◆


〔12月25日/主の降誕〕

【第一朗読/イザヤ9・1-3、5-6】



(イザヤの預言)


*9・1*闇の中を歩む民は、大いなる光を見、

死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。

*2*あなたは深い喜びと大きな楽しみをお与えになり、

人々は御前に喜び祝った。

刈り入れの時を祝うように

戦利品を分け合って楽しむように。

*3*彼らの負う軛、肩を打つ杖、虐げる者の鞭を

あなたはミディアンの日のように折ってくださった。

ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。

*5*ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。

権威が彼の肩にある。

その名は、「驚くべき指導者、力ある神

永遠の父、平和の君」と唱えられる。

*6*ダビデの王座とその王国に権威は増し

平和は絶えることがない。

王国は正義と恵みの業によって

今もそしてとこしえに、立てられ支えられる。

万軍の主の熱意がこれを成し遂げる。

【答唱詩編】


遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

(詩編96)


*96・1*新しい歌を神にうたえ。

世界よ、神に向かって喜び歌え。

*2*神の名をたたえて歌い、

日ごとに救いを告げ知らせよ。


*11*天地は喜びにあふれ、

海とそこに満ちるものは叫びをあげる。

*12*野とそこにあるものはどよめき、

森の木々は声をあげて、神の前で歌う。


*9*聖なるものが現れるとき、神をおがめ。

世界よ、神をおそれよ。

*13*神は来られる、世界をさばきに来られる。

正義とまことをもって、すべての民をさばかれる。

【第二朗読/テトス2・11-14】



(使徒パウロのテトスへの手紙)


愛する者よ、*2・11*すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました。*12*

その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え、*13*

また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。*14*

キリストがわたしたちのために御自身を献げられたのは、わたしたちをあらゆる不法から贖い出し、良い行いに熱心な民を御自分のものとして清めるためだったのです。

【福音朗読/ルカ2・1-14】


アレルヤ、アレルヤ。大きな喜びをあなたがたに告げ知らせよう。きょうわたしたちに救い主が生まれた。アレルヤ、アレルヤ。

(ルカによる福音)


*2・1*そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。*2*

これは、キリニゥスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。*3*人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。*4*

ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。*5*

身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。*6*ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、*7*

初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。


*8*その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。*9*

すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。*10*

天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。*11*

今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。*12*

あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」*13*

すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。


*14*「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」



[説教]


「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。」この福音は、「主の天使」によって、「羊飼いたち」に告げられます。私たちは今日、この羊飼いたちとともに、主の降誕を祝いたいと思います。


羊飼いたちは、「夜通し羊飼いの群れの番をしてい」ました。羊は、人びとの生活にとって必要不可欠なものでした。食料や衣類のためだけでなく、信仰生活のためにも必要とされていました。ですから、羊飼いは、人びとのいのちを支えるという、極めて尊い使命を果たしていました。それに対して、福音記者ルカが伝えているローマ皇帝や、皇帝から派遣されたシリア州総督は、人びとのいのちを抑えつけていました。こうした者たちにとって、人びとのいのちは、自分の権力を強化し、富を増やすための手段でした。ルカが伝える住民登録も、権力者たちが、人びとのいのちを思い通りにするようになるということを意味していました。


なぜ、救い主誕生の福音が、皇帝や総督にではなく、羊飼いたちに伝えられたのでしょうか。答えの一つ目は、羊飼いたちは、この福音を、本当の福音として、喜ぶことができたからです。救い主の誕生は、「民全体に与えられる大きな喜び」です。羊飼いたちは、大きな喜びが民全体に与えられることを、喜びます。自分たちだけでなく、すべての人に与えられることを喜びなのです。自分の利益しか考えない権力者たちは、自分たちだけで喜ぼうとします。すべての人が喜ぶことを認めません。喜ぶことを、自分たちのたちの特権にします。さらに、天使は、羊飼いたちに、「恐れるな」と言います。恐れるのではなく、喜ぶように、羊飼いたちを励まします。しかし、権力者たちは、人びとが、自分たちを「恐れる」ことを求めます。そのために、暴力を振るいます。


救い主誕生の福音が、羊飼いに告げられた、もう一つの理由は、羊飼いたちが、旅人だったということです。羊飼いたちは、羊の群れとともに、旅をしていました。羊と人びとの、いのちを養うために、生活を、いのちを守るために、日々、旅をしていました。福音は、旅人によって伝えられます。福音は、メディアやインターネットなどによって伝えられる情報ではありません。福音は、福音によって、日々喜びをもって生きている人びとの姿です。福音に導かれて、人生という旅路を生きている人びとの、日々の歩みです。人びとが安心して暮らせるように、ゆっくり休めるように、働いている人たちの姿です。福音は、まわりの人の幸せのために旅をする人たちの愛なのです。権力者たちは、旅をしません。人びとが自分の生活を犠牲にして、自分たちのために旅をすることを強います。そして、福音を宣べ伝えようとする人の旅を妨害します。救い主がお生まれになったベツレヘムは、今、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区にあります。そこに住む人びとは、自由に旅をすることができません。さらに、ある日突然、家を破壊されて、望まない旅を強いられています。


羊飼いたちには、もう一つの福音が伝えられます。「地には平和、御心に適う人にあれ」という福音です。救い主の誕生は、この世界の平和の実現です。私たちの救い主は、旅の途中でお生まれになりました。「宿屋には…泊まる場がな」く、「飼い葉桶」に寝ておられました。羊飼いたちは、飼い葉桶の中にある平和を信じて、「平和の君」である幼子に会いに行きます。飼い葉桶の中には、富も権力もありません。幼子は、武器を手にしていません。飼い葉桶には、誰でも近づくことができます。権力者たちは、飼い葉桶の中にいません。武器を手にしています。武装した軍隊に守られています。羊飼いたちは、権力者たちに会うことができません。


私たちは今、羊飼いたちとともに、旅立ちます。コロナ禍の経験を通して、私たちは、誰が羊飼いであるかを学びました。私たちも、羊飼いとなって、「地には平和」という福音を宣べ伝えながら、旅を続けて行きたいと思います。飼い葉桶の平和は、すでに実現しています。私たちは、この平和が、すべての人に訪れるように祈りながら、歩み続けたいと思います。そして、飼い葉桶の平和は、すべての人の希望です。この希望を分かち合いながら、希望の巡礼者として、歩んでいきましょう。

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