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2月25日「四旬節第2主日」の朗読聖書と説教

2月25日「四旬節第2主日」の朗読聖書と説教

 一場神父から2月25日「四旬節第2主日」の朗読聖書と説教が届きましたので掲載します。

◆◆◆

小教区窓口の皆様

いつもお世話になり、ありがとうございます。

2月25日「四旬節第2主日」の朗読聖書と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、2月25日(日)午前7時に公開予定です。

よろしくお願い致します。

洗礼志願者の方々のために祈りましょう。戦争や自然災害により苦しみに置かれている人たちのために祈り続けましょう。寒暖差が大きく、体調を崩しやすい時です。どうぞご自愛ください。皆様のためにお祈りしています。

一場

◆◆◆

【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)

◆◆◆

〔2月25日/四旬節第2主日〕

【第一朗読/創世記22・1-2、9a、10-13、15-18】創世記

その日、*22・1*神はアブラハムを試された。

神が、「アブラハムよ」と呼びかけ、彼が、「はい」と答えると、*2*神は命じられた。

「あなたの息子、あなたの愛する独り子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。わたしが命じる山の一つに登り、彼を焼き尽くす献げ物としてささげなさい。」

9a神が命じられた場所に着くと、アブラハムはそこに祭壇を築き、薪を並べた。*10*そしてアブラハムは、手を伸ばして刃物を取り、息子を屠ろうとした。

11そのとき、天から主の御使いが、「アブラハム、アブラハム」と呼びかけた。彼が、「はい」と答えると、*12*御使いは言った。

「その子に手を下すな。何もしてはならない。あなたが神を畏れる者であることが、今、分かったからだ。あなたは、自分の独り子である息子すら、わたしにささげることを惜しまなかった。」

13

アブラハムは目を凝らして見回した。すると、後ろの木の茂みに一匹の雄羊が角をとられていた。アブラハムは行ってその雄羊を捕まえ、息子の代わりに焼き尽くす献げ物としてささげた。

15主の御使いは、再び天からアブラハムに呼びかけた。*16*御使いは言った。

「わたしは自らにかけて誓う、と主は言われる。あなたがこの事を行い、自分の独り子である息子すら惜しまなかったので、*17*

あなたを豊かに祝福し、あなたの子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう。あなたの子孫は敵の城門を勝ち取る。*18*

地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。あなたがわたしの声に聞き従ったからである。」

【答唱詩編/詩編116・9+12、16+14】

神を敬う人の死は、神の前にとうとい。救いの杯をささげ、神の名を呼び求めよう。

詩編116

116・9わたしは神の前を歩む、

神に生きる人々の中で。

12神が与えてくださったすべての恵みに、

わたしはどのようにこたえようか。

16神よ、わたしはあなたのしもべ、

あなたはわたしを救われる。

14すべての民の前に進み出て、

神に立てた誓いを果たそう。

【第二朗読/ローマ8・31b-34】使徒パウロのローマの教会への手紙

皆さん、*8・31b*もし神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか。*32*

わたしたちすべてのために、その御子をさえ惜しまず死に渡された方は、御子と一緒にすべてのものをわたしたちに賜らないはずがありましょうか。*33*

だれが神に選ばれた者たちを訴えるでしょう。人を義としてくださるのは神なのです。*34*

だれがわたしたちを罪に定めることができましょう。死んだ方、否、むしろ、復活させられた方であるキリスト・イエスが、神の右に座っていて、わたしたちのために執り成してくださるのです。

【福音朗読/マルコ9・2-10】

輝く雲の中から父の声が聞こえた。「これはわたしの愛する子。彼に聞け。」

マルコによる福音

そのとき、*9・2*イエスは、ただペトロ、ヤコブ、ヨハネだけを連れて、高い山に登られた。イエスの姿が彼らの目の前で変わり、*3*

服は真っ白に輝き、この世のどんなさらし職人の腕も及ばぬほど白くなった。*4*エリヤがモーセと共に現れて、イエスと語り合っていた。*5*

ペトロが口をはさんでイエスに言った。「先生、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。仮小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」

6ペトロは、どう言えばよいのか、分からなかった。弟子たちは非常に恐れていたのである。*7*

すると、雲が現れて彼らを覆い、雲の中から声がした。「これはわたしの愛する子。これに聞け。」*8*

弟子たちは急いで辺りを見回したが、もはやだれも見えず、ただイエスだけが彼らと一緒におられた。

9一同が山を下りるとき、イエスは、「人の子が死者の中から復活するまでは、今見たことをだれにも話してはいけない」と弟子たちに命じられた。*10*

彼らはこの言葉を心に留めて、死者の中から復活するとはどういうことかと論じ合った。

【説教】

四旬節は、主イエスとともに受難の道を歩む時です。今日の福音は、受難の道を歩み始めた主の姿を伝えています。それは、「主の変容」と呼ばれている、栄光に輝く主の姿です。そこには、モーセとエリヤの姿もあり、まさに、主イエスによって完成される救いの歴史全体が示されています。

この出来事を目のあたりにした弟子たちは、この場面を保存しようとします。しかし、この出来事は、映画の予告のように、一瞬で終わります。そして、予告の最後に、「雲の中から声がし」ます。御父の声です。「これはわたしの愛する子。これに聞け。」この声は、今、私たちにも向けられています。私たちは、この声を心に留めて、四旬節という救いの物語を歩んで行きます。この声を、日々、心の中で響かせて歩んで行きます。そうすることで、主の栄光は、私たちの心の中で輝き続けます。

御父の声の後、「ただイエスだけが〔弟子たち〕と一緒におられ」ます。私たちは、主イエスだけに聞き従って、歩んで行けば良いのです。それは、受難の道であり、最後は、十字架上で苦しまれる主の姿を目にすることになります。そして、この苦しむ姿こそ、栄光に輝く姿なのです。私たちへの愛ゆえに苦しむ姿だからです。主イエスの栄光とは、愛の輝きなのです。十字架上ですべてをささげるという愛の輝きなのです。

雲の中からの声が告げているように、主イエスは、御父の「愛する子」です。しかし、この愛は、御父と御子の間で完結する愛ではありません。使徒パウロは、この愛について、次のように述べています。「わたしたちすべてのために、その御子をさえ惜しまず死に渡された方は、御子と一緒にすべてのものをわたしたちに賜らないはずがありましょうか。」御父は、愛する御子を死に渡されるほど、私たちを愛してくださっているのです。御父と御子は一つになって、私たちを愛してくださるのです。この愛は、「真っ白に輝き、この世のどんなさらし職人の腕も及ばぬほど白」いと言える愛です。純粋な愛、私たち人間には決して及ばない愛です。この愛こそ、受難の歩みの中で輝く愛、十字架上で輝く愛なのです。

私たちは今、この愛に加わるように招かれています。愛されるだけでなく、愛する喜びを体験するように招かれています。私たちは、御子と御子が私たちを愛されるように、愛することはできません。しかし、神の愛をめざして、歩んでいくことはできます。御子に聞き従って、御子とともに歩んで行くことはできます。私たちは、主イエスとともに、愛に輝く受難の道を歩んで行くように招かれているのです。今日の第一朗読に登場するアブラハムのように、私たちも、自分の大切なものを犠牲にするように励まされているのです。神の声に応えて、犠牲をささげるように励まされています。苦しみの中にある姉妹兄弟のために、犠牲をささげるように求められているのです。だれかに犠牲を押しつけるのではなく、ともに犠牲をささげるように招かれているのです。

しかし、私たちを愛へと招く神の声をかき消す声があります。今、この世界で、この声が響きわたっています。それは、偶像という声です。今年の四旬節教皇メッセージでは、この偶像について、次のように述べられています。「偶像は、わたしたちの内に聞こえる敵の声だと言えます。何でもできるようになりたい、だれからも認められたい、皆の上に立ちたい…それは踏み固められた道です。だからわたしたちは、お金に、何かしらの計画、考え、目標に、自分の地位に、慣習に、さらには特定の人に、執着してしまうことがあるのです。これらのものは、わたしたちを前方へと押し出すのではなく、動けなくさせるでしょう。わたしたちを一つに結ぶのではなく、対立させるでしょう。」

御子の声に聞き従っている私たちは、ただ愛を生きられるようになりたいと願っています。皆を愛せるようになりたいと、心から願っています。愛を妨げるものへの執着から解かれて、主イエスとともに、愛の道を歩み続けたいと望んでいます。今日、私たちは、このした願いや望みがかなえられように、ともに祈りたいと思います。「キリスト・イエスが、神の右に座っていて、わたしたちのために執り成してくださる」ことを信じて、ともに歩み続けたいと思います。神の愛に向かって、ともに歩み続けことで、愛を生きて行きたいと思います。ともに歩み続けている限り、私たちは、神の愛に応えているのです。アブラハムのように、神が示されるところに向かっているのです。

※2024年 四旬節教皇メッセージ(2024.2.14) | カトリック中央協議会 ↓


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