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3月10日「四旬節第4主日」の朗読聖書と説教

3月10日「四旬節第4主日」の朗読聖書と説教

 一場神父から3月10日「四旬節第4主日」の朗読聖書と説教が届きましたので掲載します。

◆◆◆

小教区窓口の皆様

いつもお世話になり、ありがとうございます。

3月10日「四旬節第4主日」の朗読聖書と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、3月10日(日)午前7時に公開予定です。

よろしくお願い致します。

洗礼志願者の方々のために祈りましょう。戦争や自然災害により苦しみに置かれている人たちのために、引き続き祈りましょう。まだ寒い日が続きます。どうぞご自愛ください。皆様のためにお祈りしています。

一場

◆◆◆

【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)

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〔3月10日/四旬節第4主日〕

【第一朗読/歴代誌下36・14-16、19-23】

歴代誌

そのころ、ユダの王ゼデキヤは主の目に悪とされることを行った。*36・14*

祭司長たちのすべても民と共に諸国の民のあらゆる忌むべき行いに倣って罪に罪を重ね、主が聖別されたエルサレムの神殿を汚した。*15*

先祖の神、主は御自分の民と御住まいを憐れみ、繰り返し御使いを彼らに遣わされたが、*16*

彼らは神の御使いを潮笑い、その言葉を蔑み、預言者を愚弄した。それゆえ、ついにその民に向かって主の怒りが燃え上がり、もはや手の施しようがなくなった。

19神殿には火が放たれ、エルサレムの城壁は崩され、宮殿はすべて灰燼に帰し、貴重な品々はことごとく破壊された。*20*

剣を免れて生き残った者は捕らえられ、バビロンに連れ去られた。彼らはペルシアの王国に覇権が移るまで、バビロンの王とその王子たちの僕となった。*21*

こうして主がエレミヤの口を通して告げられた言葉が実現し、この地はついに安息を取り戻した。その荒廃の全期間を通じて地は安息を得、七十年の年月が満ちた。

22

ペルシアの王キュロスの第一年のことである。主はかつてエレミヤの口を通して約束されたことを成就するため、ペルシアの王キュロスの心を動かされた。キュロスは文書にも記して、国中に次のような布告を行き渡らせた。

23「ペルシアの王キュロスはこう言う。

天にいます神、主は、地上のすべての国をわたしに賜った。この主がユダのエルサレムに御自分の神殿を建てることをわたしに命じられた。あななたちの中で主の民に属する者はだれでも、上って行くがよい。神なる主がその者と共にいてくださるように。」

【答唱詩編/詩編137・1+2、3+4】

エルサレムよ、おまえを忘れるよりは、わたしの右手がなえたほうがよい。エルサレムを思わず、最上の喜びとしないなら、わたしは口がきけなくなったほうがよい。

詩編137

137・1バビロンの流れのほとりにすわり、

柳にたて琴をかけ、

2シオンをおもい、すすり泣いた。

3わたしたちをとりこにしたものが、歌をもとめ、

しいたげる者がなぐさみに「シオンの歌をうたえ」と命じた。

4異国の地にあって、どうして主の歌がうたえよう。

【第二朗読/エフェソ2・4-10】

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、*2・4*憐れみ豊かな神は、わたしたちをこの上なく愛してくださり、その愛によって、*5*

罪のために死んでいたわたしたちをキリストと共に生かし、ーーあなたがたの救われたのは恵みによるのですーー*6*

キリスト・イエスによって共に復活させ、共に天の王座に着かせてくださいました。*7*

こうして、神は、キリスト・イエスにおいてわたしたちにお示しになった慈しみにより、その限りなく豊かな恵みを、来るべき世に現そうとされたのです。*8*

事実、あなたがたは、恵みにより、信仰によって救われました。このことは、自らの力によるのではなく、神の賜物です。*9*

行いによるのではありません。それは、だれも誇ることがないためなのです。*10*

なぜなら、わたしたちは神に造られたものであり、しかも、神が前もって準備してくださった善い業のために、キリスト・イエスにおいて造られたからです。わたしたちは、その善い業を行って歩むのです。

【福音朗読/ヨハネ3・14-21】

神はひとり子をお与えになるほど、世を愛してくださった。神を信じる人は永遠の命に生きる。

ヨハネによる福音

そのとき、イエスはニコデモに言われた。*3・14*「モーセが荒れ野で蛇を上げたように、人の子も上げられねばならない。*15*

それは、信じる者が皆、人の子によって永遠の命を得るためである。*16*

神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。*17*

神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである。*18*

御子を信じる者は裁かれない。信じない者は既に裁かれている。神の独り子の名を信じていないからである。*19*

光が世に来たのに、人々はその行いが悪いので、光よりも闇の方を好んだ。それが、もう裁きになっている。*20*

悪を行う者は皆、光を憎み、その行いが明るみに出されるのを恐れて、光の方に来ないからである。*21*

しかし、真理を行う者は光の方に来る。その行いが神に導かれてなされたということが、明らかになるために。」

【説教】

主イエスは、今日、はっきりと宣言されます。「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」

この宣言は、神からすべての人に向けられた、愛のメッセージです。四旬節を歩んでいる私たちが、世界中の人に受け取ってもらいたいメッセージです。私たちが実行している愛の行いは、このメッセージが、言葉だけで終わらないようにするためです。このメッセージが、いきいきとしたものになるためです。私たちが続けている「四旬節愛の献金」も、このメッセージを表すものとしてささげられています。四旬節の後半に入った今、この愛のメッセージをあらためて味わい、四旬節の残された日々を、愛に満たされて歩んでいきたいと思います。

まず、私たちは、「世を愛された」という言葉を味わいたいと思います。「世」とは、神の愛を受け入れない世界という意味です。神の愛を受け入れず、争い悩む世界です。あまりにも多くの人を貧困に追いやっている世界です。飢餓に苦しむ子供たちに最低限の食糧が与えられていない世界です。最新の兵器が多くの人のいのちを奪っている世界です。世界中で起こっていることが瞬時に知らされるのに、ごく身近で苦しんでいる人のことを知ることができない世界です。情報量が大きくなればなるほど、愛が小さくなっていく世界です。

主イエスが宣言される愛のメッセージは、愛を受け入れない世界を、神が深く愛されているというメッセージです。何があっても、この世界を愛し続けておられるというメッセージです。神は、この世界を、深く愛し続けておられます。だから、「その独り子をお与えになった」のです。ただお与えになったのではなく、十字架上の死に渡されたのです。十字架は、世界が愛を受け入れていないことを表しています。そして、愛を拒否する世界を包み込む、神の愛を表しています。愛することしかおできにならない神がおられるところとなっています。十字架上におられる御子は、御父とともに、ご自分のいのちを与え続けておられる神なのです。いのちを奪い合っている世界に、いのちを与え続けておられる神なのです。

そして、神は、私たちすべてが、「永遠の命を得る」ことを望んでおられます。「永遠」とは、神のことです。神は、永遠に生きておられる方だからです。永遠に愛しておられる方だからです。神のいのちは、「独り子を信じる者」に与えられます。「独り子を信じる者」とは、独り子をお与えになる御父の愛を信じる人のことです。今、ここに集まっている私たちは、これから、私たちの信仰を宣言します。私たちを愛し続けておられる神を信じていることを宣言します。ここで、私たちは、思い起こしたいと思います。この世界には、神を信じていなくても、愛を信じている人がいます。愛を信じて、愛することを続けている人がいます。私たちは、世界中の、愛を信じている人たちとともに歩むように招かれています。「永遠の命」、神のいのちとは、愛を信じて、愛を生き続けることなのです。愛せない時、愛せるようになりたいと望むことなのです。皆が愛し合う日が、必ず来るという希望を持ち続けることなのです。「永遠の命」とは、今、ここで、愛を生きることなのです。

神は、すべてのいのちを愛しておられます。しかし、愛を押しつけることはなさいません。愛は、押しつけになった時、愛ではなくなるからです。私たちは、愛を拒否することができます。そして、愛を拒否する時、生きることができなくなります。今日の福音の言葉で表現すれば、「滅び」ることになります。神は、ノアに約束されたように、この世界を滅ぼしません。愛を信じない世界が、自ら滅びていくのです。愛を拒否する世界が、自らを裁くのです。

今日、主イエスのもとに集まっている私たちは、「神の独り子の名を信じて」います。「神の愛」という名を信じています。「救われて」います。そして、この救いの喜びを、その喜びを知らない人と分かち合うために、この世界に遣わされます。この世界は、私たちが伝える愛のメッセージを受け入れないかもしれません。愛のメッセージだからこそ、受け入れないかもしれません。でも、あきらめずに、主イエスの愛のメッセージを伝え続けましょう。あきらめないことこそ、愛なのです。


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