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3月17日「四旬節第5主日」の朗読聖書と説教

3月17日「四旬節第5主日」の朗読聖書と説教

 一場神父から3月17日「四旬節第5主日」の朗読聖書と説教が届きましたので掲載します。

◆◆◆

小教区窓口の皆様

いつもお世話になり、ありがとうございます。

3月17日「四旬節第5主日」の朗読聖書と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、3月17日(日)午前7時に公開予定です。

よろしくお願い致します。

洗礼志願者の方々のために祈りましょう。戦争や自然災害により苦しみに置かれている人たちのために、引き続き祈りましょう。寒暖差が大きく、体調を崩しやすい時です。どうぞご自愛ください。皆様のためにお祈りしています。

一場

◆◆◆

【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)

◆◆◆

〔3月17日/四旬節第5主日〕

【第一朗読/エレミヤ31・31-34】

(エレミヤの預言)

31・31見よ、わたしがイスラエルの家、ユダの家と新しい契約を結ぶ日が来る、と主は言われる。*32*

この契約は、かつてわたしが彼らの先祖の手を取ってエジプトの地から導き出したときに結んだものではない。わたしが彼らの主人であったにもかかわらず、彼らはこの契約を破った、と主は言われる。

33

しかし、来るべき日に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこれである、と主は言われる。すなわち、わたしの律法を彼らの胸の中に授け、彼らの心にそれを記す。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。

34

そのとき、人々は隣人どうし、兄弟どうし、「主を知れ」と言って教えることはない。彼らはすべて、小さい者も大きい者もわたしを知るからである、と主は言われる。わたしは彼らの悪を赦し、再び彼らの罪に心を留めることはない。

【答唱詩編/詩編51・3+4、12+13、14+15】

あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。

(詩編51)

51・3神よ、いつくしみ深くわたしを顧み、

豊かなあわれみによってわたしのとがをゆるしてください。

4悪に染まったわたしを洗い、

罪深いわたしを清めてください。

12神よ、わたしのうちに清い心を造り、

あなたのいぶきでわたしを強め、新たにしてください。

13わたしをあなたのもとから退けず、

聖なるいぶきをわたしから取り去らないでください。

14救いの喜びをわたしに返し、

あなたのいぶきを送って、喜び仕える心を支えてください。

15わたしはあなたへの道を教えよう、

罪びとがあなたのもとに帰るように。

【第二朗読/ヘブライ5・7-9】

(ヘブライ人への手紙)

5・7

キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流しながら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いとをささげ、その畏れ敬う態度のゆえに聞き入れられました。

8キリストは御子であるにもかかわらず、多くの苦しみによって従順を学ばれました。*9*

そして、完全な者となられたので、御自分に従順であるすべての人々に対して、永遠の救いの源となりました。

【福音朗読/ヨハネ12・20-33】

わたしに仕えたい人はわたしに従いなさい。わたしがいる所にわたしに使える人もいる。

(ヨハネによる福音)

12・20さて、祭りのとき礼拝するためにエルサレムに上って来た人々の中に、何人かのギリシア人がいた。*21*

彼らは、ガリラヤのベトサイダ出身のフィリポのもとへ来て、「お願いです。イエスにお目にかかりたいのです」と頼んだ。*22*

フィリポは行ってアンデレに話し、アンデレとフィリポは行って、イエスに話した。*23*イエスはこうお答えになった。「人の子が栄光を受ける時が来た。*24*

はっきり言っておく。一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。*25*

自分の命を愛する者は、それを失うが、この世で自分の命を憎む人は、それを保って永遠の命に至る。*26*

わたしに仕えようとする者は、わたしに従え。そうすれば、わたしのいるところに、わたしに仕える者もいることになる。わたしに仕える者がいれば、父はその人を大切にしてくださる。

27今、わたしは心騒ぐ。何と言おうか。『父よ、わたしをこの時から救ってください』と言おうか。しかし、わたしはまさにこの時のために来たのだ。*28*

父よ、御名の栄光を現してください。」すると、天から声が聞こえた。「わたしは既に栄光を現した。再び栄光を現そう。」*29*

そばにいた群衆は、これを聞いて、「雷が鳴った」と言い、ほかの者たちは「天使がこの人に話しかけたのだ」と言った。*30*

イエスは答えて言われた。「この声が聞こえたのは、わたしのためではなく、あなたがたのためだ。*31*

今こそ、この世が裁かれる時。今、この世の支配者が追放される。*32*わたしは地上から上げられるとき、すべての人を自分のもとへ引き寄せよう。」

33イエスは、御自分がどのような死を遂げるかを示そうとして、こう言われたのである。

【説教】

「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。」この御言葉は、「祈りと回心」というテーマで黙想をしている私にとって、黙想を導くふさわしい福音です。

「一粒の麦」は、十字架上でご自分のいのちをささげられる、主イエスのことです。そして、「地」とは、今ここに集まっている私たちのことです。祈りと回心によって豊かな土となる私たちのことです。

主イエスは、土である私たちの中に来られます。私たち一人一人の中に来てくださいます。私たち共同体の中に来てくださいます。そして、私たちと一つになってくださいます。主は、ご自分のいのちをささげることで、私たちのいのちとなってくださいます。「多くの実」とは、主とともに生きている私たち自身のことであると言えます。私たちは、多くの実を結ぶ土なのです。

多くの実を結ぶ土となるために、祈りと回心が必要となります。では、祈りと回心とは、どのようなことでしょうか。私たちは、今日の第二朗読に、その答えを見い出すことができます。それは、「キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流しながら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いをささげ、その畏れ敬う態度のゆえに聞き入れられました」という御言葉です。「肉において生きておられ」るキリストとは、一人の人間として私たちとともに生きておられるキリストという意味です。私たちは、キリストとともに、キリストのように祈れば良いのです。イエスは、神に、心の中の思いをすべて打ち明けます。「畏れ敬う態度」とは、神を信じて、すべてをゆだねるということです。すべてをご存じの方に、安心して自分をさらけ出して、すべてを打ち明けるということです。こんなことを口にしたらと思い、萎縮して、心にもない、きれいな言葉で祈ることではありません。イエスの、「激しい叫び声をあげ、涙を流しながら」祈ることは、まさに、畏れ敬う態度なのです。

私たちは、イエスのように、イエスとともに祈る時、畏れ敬う態度で祈り続ける時、変えられていきます。神が、私たちを変えてくださいます。この変えられる恵みが、変えられ続ける恵みが、回心の恵みです。回心して、祈るのではないのです。祈りながら、回心するのです。回心とは、神の向いていなかった心を、神に向けるようになることです。回心したいと思う時、祈りが始まっています。祈り続けることが、回心なのです。心を神に向け続けることが、回心なのです。私たちの願いが、神のみこころに変えられていくことが回心なのです。「みこころが天に行われるとおり地にも行われますように」と心から祈ることが、祈れることが、回心の恵みなのです。

私たちは今、ともに歩むこと、シノドスの歩みを続けています。先々週の7日と8日、東京の日本カトリック会館で、「日本のシノドスのつどい」が行われました。信徒、奉献生活者、司祭、司教が6グループに分かれて、分かち合いました。「霊における会話」という方法による分かち合いです。この方法は、昨年10月のローマでのシノドス総会でも実践された方法です。この方法を、日本の教会でも実践していくことを目指して、今回のつどいが行われました。この分かち合いで、まず第一に大切にされたことは、私たちが、教会での役割に関係なく、同じ洗礼の恵みを受けたキリスト信者であるということです。分かち合いでは、私たちは同じ信者として、心を一つにして、聖霊の働きを願いました。最初と最後だけでなく、途中で何度か、祈りました。そして、一人一人の「わたし」の思いに、みんなで耳を傾けました。司教の言葉だからという理由で、特別扱いされることはありませんでした。信徒や奉献生活者の生きた証しは、司祭である私に、回心の恵みをもたらしました。その後、一人一人の発言を、「あなた」の思いとして大切にし合いました。そして、「わたしたち」の思いを形づくっていきました。神に祈りながら、「わたし」が「あなた」に、さらに、「わたしたち」に変わっていきました。この体験は、共同体としての祈りと回心の恵みでした。

「一粒の麦」だけでは、何も起こりません。麦の粒が入りこんでいく土が求められているのです。私たちは、この土なのです。灰の水曜日、私たちは、「ちり」に帰りました。今、私たちは、祈りと回心によって、豊かな土となって、一粒の麦であるキリストを、私たちの中にお迎えします。そして、キリストとともに死に、キリストとともに復活していきます。復活という多くの実を結びます。この実りを信じて、祈りと回心を続けていきましょう。

※「霊における会話」の説明 ↓


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