7月23日「年間第16主日」の朗読聖書と説教
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- Jul 17, 2023
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7月23日「年間第16主日」の朗読聖書と説教
一場神父から7月23日「年間第16主日」の朗読聖書と説教が届きましたので掲載します
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小教区窓口の皆様
いつもお世話になり、ありがとうございます。
7月23日「年間第16主日」の朗読聖書と説教をお送り致します。
「ことばの祭儀」は、7月22日(土)午後7時に公開予定です。
よろしくお願い致します。
厳しい暑さが続きます。熱中症などにお気をつけください。皆様のためにお祈りしています。
一場
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【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)
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〔7月23日/年間第16主日〕
【第一朗読/知恵12・13、16-19】知恵の書
*12・13*主よ、すべてに心を配る神はあなた以外におられない。だから、不正な裁きはしなかったと、証言なさる必要はない。
*16*あなたの力は正義の源、あなたは万物を支配することによって、すべてをいとおしむ方となられる。*17*
あなたの全き権能を信じない者にあなたは御力を示され、知りつつ挑む者の高慢をとがめられる。*18*
力を駆使されるあなたは、寛容をもって裁き、大いなる慈悲をもって、わたしたちを治められる。力を用いるのはいつでもお望みのまま。
*19*神に従う人は人間への愛を持つべきことを、あなたはこれらの業を通して御民に教えられた。こうして御民に希望を抱かせ、罪からの回心をお与えになった。
【答唱詩編/詩編86・5+6、9+10、15+16】
すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。
詩編86
*86・5*神よ、あなたは恵み深く、心のひろいかた。
あなたに助けを求める人にいつくしみを注がれる。
*6*神よ、わたしの祈りを聞き、
願いの声に耳を傾けてください。
*9*神よ、あなたに造られた諸国の民はみな、
み前に進み、ひれ伏してあなたの名をたたえる。
*10*あなたは偉大、不思議なわざを行われるかた。
あなたのほかに神はない。
*15*神よ、あなたはあわれみに満ち、恵み深いかた。
怒るにおそく、いつくしみとまことにあふれておられる。
*16*あなたのしもべに力を授け、
あなたに仕える者を救ってください。
【第二朗読/ローマ8・26-27】使徒パウロのローマの教会への手紙
皆さん、*8・26*
〝霊〟は弱いわたしたちを助けてくださいます。わたしたちはどう祈るべきかを知りませんが、〝霊〟自らが、言葉に表せないうめきをもって執り成してくださるからです。
*27*人の心を見抜く方は、〝霊〟の思いが何であるかを知っておられます。〝霊〟は、神の御心に従って、聖なる者たちのために執り成してくださるからです。
【福音朗読/マタイ13・24-43】
アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。
マタイによる福音
そのとき、*13・24*イエスは、別のたとえを持ち出して言われた。
「天の国は次のようにたとえられる。ある人が良い種を畑に蒔いた。*25*人々が眠っている間に、敵が来て、麦の中に毒麦を蒔いて行った。*26*
芽が出て、実ってみると、毒麦も現れた。*27*
僕たちが主人のところに来て言った。『だんなさま、畑には良い種をお蒔きになったではありませんか。どこから毒麦が入ったのでしょう。』*28*
主人は、『敵の仕業だ』と言った。そこで、僕たちが、『では、行って抜き集めておきましょうか』と言うと、*29*
主人は言った。『いや、毒麦を集めるとき、麦まで一緒に抜くかもしれない。*30*
刈り入れまで、両方とも育つままにしておきなさい。刈り入れの時、「まず毒麦を集め、焼くために束にし、麦の方は集めて倉に入れなさい」と、刈り取る者に言いつけよう。』」
*31*イエスは、別のたとえを持ち出して、彼らに言われた。「天の国はからし種に似ている。人がこれを取って畑に蒔けば、*32*
どんな種よりも小さいのに、成長するとどの野菜よりも大きくなり、空の鳥が来て枝に巣を作るほどの木になる。」*33*
また、別のたとえをお話しになった。「天の国はパン種に似ている。女がこれを取って三サトンの粉に混ぜると、やがて全体が膨れる。」
*34*イエスはこれらのことをみな、たとえを用いて群衆に語られ、たとえを用いないでは何も語られなかった。*35*
それは、預言者を通して言われていたことが実現するためであった。
「わたしは口を開いてたとえを用い、天地創造の時から隠されていたことを告げる。」
*36*それから、イエスは群衆を後に残して家にお入りになった。すると、弟子たちがそばに寄って来て、「畑の毒麦のたとえを説明してください」と言った。
*37*イエスはお答えなった。「良い種を蒔く者は人の子、*38*畑は世界、良い種は御国の子ら、毒麦は悪い者の子らである。*39*
毒麦を蒔いた敵は悪魔、刈り入れは世の終わりのことで、刈り入れる者は天使たちである。*40*
だから、毒麦が集められて火で焼かれるように、世の終わりにもそうなるのだ。*41*
人の子は天使たちを遣わし、つまずきとなるものすべてと不法を行う者どもを自分の国から集めさせ、*42*
燃え盛る炉の中に投げ込ませるのである。彼らは、そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。*43*
そのとき、正しい人々はその父の国で太陽のように輝く。耳のある者は聞きなさい。」
【説教】
私たちが分かち合い、宣べ伝えている福音は、「天の国が始まっている」というよい知らせです。「天の国」は、他の福音書などで、「神の国」と呼ばれています。私たちは、神に生かされ、大切にされていることを知り、喜びを感じる時、天の国で生きていることになります。そして、この喜びをまわりの人と分かち合う時、天の国は広がっていきます。主イエスは、今日、「天の国は次のようにたとえられる」と言い、ここに集まっている私たちに、天の国について説かれます。
天の国は、「からし種」、「パン種」にたとえられます。からし種もパン種も、小さなものです。つまり、天の国は、小さなことから始まるということです。いのちを大切にするという小さな行いから始めるのが、天の国なのです。すべてのいのちのために、心をこめて祈る。そんな小さな祈りが天の国の始まりなのです。主イエスは、すべてのいのちを大切にされています。だから、天の国は、もう始まっています。そして、私たちが、地道に小さな行いを続ける時、日々の祈りを続ける時、天の国は、大きくなっていきます。私たちは、神が大切にしておられる、この世界に蒔かれた「からし種」なのです。すべてのいのちを生かす、この地球というパンの「パン種」なのです。
そして、主イエスが語られるたとえによれば、天の国には、「毒麦も現れ」ます。毒麦は、私たちが「眠っている間に」蒔かれます。「眠っている」とは、「考えていない」ということではないでしょうか。今のこと、自分のことしか考えないということではないでしょうか。次の世代が何とかしてくれるだろうと、無責任になることではないでしょうか。まわりの出来事に無関心になることではないでしょうか。疑問を投げかけてくる人を避けることではないでしょうか。天の国は、何も考えず、眠って過ごすところではありません。毒麦のたとえに登場する「僕たち」は、考えているからこそ、毒麦に気づくことができたのです。天の国にいる人たちとは、毒麦に気づく人たちのことなのです。天の国は、始まっていますが、完成していません。だから、天の国に、毒麦は現れるのです。私たちは、考えているかどうか、気づいているかどうかが問われているのです。
そして、毒麦とは、「悪い者の子ら」、「つまずきとなるものすべてと不法を行う者ども」とされています。私たちは、毒麦に気づくと、すぐに抜きたくなります。良い麦だけにしたくなります。そんな思いに駆られそうになる私たちに、主イエスは言われます。「いや、毒麦を集める時、麦まで一緒に抜くかもしれない。刈り入れまで、両方とも育つままにしておきなさい。」この言葉に、私たちは、神の正義と慈しみを見いだすことができます。神は、悪いものが存在することを許すことができない方です。だから、悪いものが良いものに変わることを待たれる方です。変わる機会、回心の機会を与え続けておられる方です。これこそ、神の慈しみではないでしょうか。そして、良い麦だけになった時、天の国は、完成するのです。
今日は、「祖父母と高齢者のための世界祈願日」です。高齢であるということは、天国に近いということではありません。今まで天の国で生きてきたということです。天の国の豊かな経験があるというです。次の世代に伝える福音、天の国の福音が与えられているということです。良い麦と毒麦を区別する知恵があるということです。毒麦が回心して、良い麦に変わるように祈りながら、忍耐強く過ごすということです。良い麦として生きようと、もがいている若い世代に寄り添うことができるということです。私たち教会は今、高齢の方々の福音の証しを必要としています。高齢の方々の祈りに支えられています。今日、私たちは、高齢の方々に心から感謝します。高齢の方々が、これからも、喜びのうちに、天の国の福音を宣べ伝えていけますようお祈りしたいと思います。そして、次の世代、若い世代が、感謝のうちに、天の国の福音を受け継いでいけますようお祈りしたいと思います。天の国の完成の時がくることを信じて、ともに歩んでいきたいと思います。
※ 第3回「祖父母と高齢者のための世界祈願日」教皇メッセージはこちら↓
https://www.cbcj.catholic.jp/2023/06/28/27307/
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一場 修
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