7月9日「年間第14主日」の朗読聖書と説教
- kiotanblock
- Jul 5, 2023
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7月9日「年間第14主日」の朗読聖書と説教
一場神父から7月9日「年間第14主日」の朗読聖書と説教が届きましたので掲載します
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小教区窓口の皆様
いつもお世話になり、ありがとうございます。
7月9日「年間第14主日」の朗読聖書と説教をお送り致します。
「ことばの祭儀」は、7月8日(土)午後7時に公開予定です。
また、「パウロの手紙を読む」の第3回は、11日(火)午後1時公開予定です。
よろしくお願い致します。
これから、厳しい暑さが続きます。熱中症などにお気をつけください。皆様のためにお祈りしています。
一場
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【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)
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〔7月9日/年間第14主日〕
【第一朗読/ゼカリヤ9・9-10】ゼカリヤの預言
主は言われる。*9・9*
娘シオンよ、大いに踊れ。娘エルサレムよ、歓呼の声をあげよ。見よ、あなたの王が来る。彼は神に従い、勝利を与えられた者、高ぶることなく、ろばに乗って来る雌ろばの子であるろばに乗って。
*10*
わたしはエフライムから戦車をエルサレムから軍馬を絶つ。戦いの弓は絶たれ、諸国の民に平和が告げられる。彼の支配は海から海へ大河から地の果てにまで及ぶ。
【答唱詩編/詩編145・8+9、10+11、13ab+14】
いのちあるすべてのものに、主は食物を恵まれる。
詩編145
*145・8*あなたは恵みとあわれみに満ち、
怒るにおそく、いつくしみ深い。
*9*その恵みはすべてのものに及び、
いつくしみは造られたものの上にある。
*10*神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、
あなたに従う人は感謝して歌う。
*11*彼らはあなたの国の栄光を語り、
力あるあなたのわざを告げる。
*13ab*あなたの国は永遠の国。
あなたの支配は世々に及ぶ。
*14*神は悩みのうちにある者を支え、
倒れる者をすべて立たせてくださる。
【第二朗読/ローマ8・9、11-13】使徒パウロのローマの教会への手紙
皆さん、*8・9*
神の霊があなたがたの内に宿っているかぎり、あなたがたは、肉ではなく霊の支配下にいます。キリストの霊を持たない者は、キリストに属していません。
*11*
もし、イエスを死者の中から復活させた方の霊が、あなたがたの内に宿っているなら、キリストを死者の中から復活させた方は、あなたがたの内に宿っているその霊によって、あなたがたの死ぬはずの体をも生かしてくださるでしょう。
*12*それで、兄弟たち、わたしたちには一つの義務がありますが、それは、肉に従って生きなければならないという、肉に対する義務ではありません。*13*
肉に従って生きるなら、あなたがたは死にます。しかし、霊によって体の仕業を絶つならば、あなたがたは生きます。
【福音朗読/マタイ11・25-30】
アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。
マタイによる福音
そのとき、イエスはこう言われた。*11・25*
「天地の主である父よ、あなたをほめたたえます。これらのことを知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者にお示しになりました。*26*
そうです、父よ、これは御心に適うことでした。*27*
すべてのことは、父からわたしに任せられています。父のほかに子を知る者はなく、子と、子が示そうと思う者のほかには、父を知る者はいません。*28*
疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。*29*
わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。*30*
わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」
【説教】
「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。わたしは柔和で謙遜だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」
今日、私たちに与えられている福音です。私たちが、共同体の中で分かち合う福音です。日々出会う人に宣べ伝える福音です。
現代を生きる私たちは、疲れています。様々な負担を感じています。日々の生活が便利になればなるほど、疲れは増していきます。大量の商品や情報に押しつぶされそうになっています。電車が少しでも遅れれば、「到着が遅れましたことをお詫び申し上げます」という車内アナウンスが流れます。何か買い物をする時、より安く、より良い物を選ぶために、時間や体力を費やさなければなりません。「送料無料」という言葉が、その商品を配達する人に、肉体的だけでなく、精神的にも大きな負担、殺人的といえる負担をかけています。私たちは、互いに負担をかけ、疲れさせることによって、便利で快適な生活を実現しようとしているといえないでしょうか。
そんな私たちに、主イエスは、優しく語りかけてくださいます。「わたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」と。主は、「わたしの軛を負い、わたしに学びなさい」と言われます。主は、私たちの疲れや負担をともに負ってくださいます。ともに負い、私たちと並んで、ともに歩んでくださいます。決して、私たちの前にいて、「早く来い」と要求されることはありません。「なぜ遅れた」と言って、私たちを責めません。主は、「柔和で謙遜」な方なのです。
そして、主イエスは、「わたしに学びなさい」と言われます。私たちも、主のように、柔和で謙遜な者となるよう招かれているのです。バスや電車の遅れは、安全確認がしっかり行われた結果かもしれません。そうだとしたら、私たちのいのちは大切にされているのです。そう気づき、自分が迷惑したと怒るのではなく、誰かの、みんなのいのちが大切にされたことを喜び、感謝する。それが、主に学び、柔和で謙遜になり、安らぎを得ることではないでしょうか。送料無料の重い荷物を配達してくれた人に、心から感謝し、優しい言葉をかける。自分で買いに行くとしたら、どれほど大変かと想像して、届けられた商品を大切に使わせてもらう。それが、主のように、軛をともに負うことではないでしょうか。
今日の福音で、主イエスは、「知る」ことについても説いておられます。「知る」とは、単なる知識を得ることではありません。ともに生きることです。苦労や悩みを分かち合うことです。私たちは、御子キリストを知ることができます。御子の軛を負い、ともに歩んでいけばよいのです。私たちは、互いのことを知ることができます。ともに、軛を負えばよいのです。軛を負ってもらっていることに気づき、感謝すればよいのです。神は、主イエスは、私たちのことをよくご存知です。すべてご存知です。私たちの軛を、今まで、負い続けてくださったからです。これからも、ずっと、負い続けてくださるからです。
さらに、今日、私たちが知るべきことが、もう一つあります。今日は、「船員の日」です。港で働く人たちのおかげで、私たちの生活は成り立っています。私たちは、この人たちが私たちのために負っている軛を知らなければなりません。そして、私たちも、この軛をともに負いたいと思います。
使徒パウロは、今日、次のように、はっきりと告げています。「肉に従って生きるなら、あなたがたは死にます。しかし、霊によって体の仕業を断つならば、あなたがたは生きます。」自分のことしか考えられず、軛を誰かに押しつけようとすれば、さらに大きな軛を自分一人で負うことになります。そして、その軛に押しつぶされ、生きていくことはできません。しかし、主イエスとともに、まわりの人とともに、軛を負うならば、その軛は軽くなります。そして、私たちは、ともに生きることができます。霊によって生きるとは、神とともに、すべてのいのちとともに軛を負い、ともに生きることなのです。
軛は、一人で負うことはできません。誰かとともに負うものです。福音も同じです。一人で福音を生き、宣べ伝えることはできません。主イエスとともに、そして、誰かとともに、福音を生き、宣べ伝えるのです。そして、主が与えてくださる「安らぎ」を分かち合うのです。
※2023年船員の日Sea Sundayメッセージ はこちら↓
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