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8月13日「年間第19主日」の朗読聖書と説教

  • kiotanblock
  • Aug 8, 2023
  • 7 min read

8月13日「年間第19主日」の朗読聖書と説教


 一場神父から8月13日「年間第19主日」の朗読聖書と説教が届きましたので掲載します


◆◆◆


小教区窓口の皆様


いつもお世話になり、ありがとうございます。


8月13日「年間第19主日」の朗読聖書と説教をお送り致します。


「ことばの祭儀」は、8月12日(土)午後7時に公開予定です。


よろしくお願い致します。


皆様のためにお祈りしています。一場


◆◆◆


【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)



◆◆◆


8月13日「年間第19主日」の朗読聖書と説教


〔8月13日/年間第19主日〕

【第一朗読/列王記上19・9a、11-13a】列王記


その日、*19・9a*エリヤは神の山ホレブに着き、そこにあった洞穴に入り、夜を過ごした。見よ、そのとき、主の言葉があった。*11*

主は、「そこを出て、山の中で主の前に立ちなさい」と言われた。見よ、そのとき主が通り過ぎて行かれた。主の御前には非常に激しい風が起こり、山を裂き、岩を砕いた。しかし、風の中に主はおられなかった。風の後に地震が起こった。しかし、地震の中にも主はおられなかった。

*12*地震の後に火が起こった。しかし、火の中にも主はおられなかった。火の後に、静かにささやく声が聞こえた。*13*

それを聞くと、エリヤは外套で顔を覆い、出て来て、洞穴の入り口に立った。

【答唱詩編/詩編85・9、10+11、12+13+14】


神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編85


*85・9*神の語られることばを聞こう。

神は平和を約束される、

その民、神に従う民に、

心を神に向ける人に。


*10*救いは神をおそれる人に近く、

栄光はわたしたちの地に住む。

*11*いつくしみとまことはめぐり合い、

正義と平和はいだき合う。


*12*まことは地から芽ばえ、正義は天から見守る。

*13*神は恵みを注がれ、地は豊かに実る。

*14*正義は神の前を進み、

平和はその足跡に従う。

【第二朗読/ローマ9・1-5】使徒パウロのローマの教会への手紙


皆さん、*9・1*わたしはキリストに結ばれた者として真実を語り、偽りは言わない。わたしの良心も聖霊によって証ししていることですが、*2*

わたしには深い悲しみがあり、わたしの心には絶え間ない痛みがあります。*3*

わたし自身、兄弟たち、つまり肉による同胞のためならば、キリストから離され、神から見捨てられた者となってもよいとさえ思っています。*4*

彼らはイスラエルの民です。神の子としての身分、栄光、契約、律法、礼拝、約束は彼らのものです。*5*

先祖たちも彼らのものであり、肉によればキリストも彼らから出られたのです。キリストは、万物の上におられる、永遠にほめたたえられる神、アーメン。

【福音朗読/マタイ14・22-33】


アレルヤ、アレルヤ。神はわたしの希望、わたしの望み。わたしはその言葉により頼む。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音


人々がパンを食べて満腹した後、*14・22*イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ、向こう岸へ先に行かせ、その間に群衆を解散させられた。*23*

群衆を解散させてから、祈るためにひとり山にお登りになった。夕方になっても、ただひとりそこにおられた。*24*

ところが、舟は既に陸から何スタディオンか離れており、逆風のために波に悩まされていた。*25*

夜が明けるころ、イエスは湖の上を歩いて弟子たちのところに行かれた。*26*

弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、「幽霊だ」と言っておびえ、恐怖のあまり叫び声をあげた。*27*

イエスはすぐ彼らに話しかけられた。「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」*28*

すると、ペトロが答えた。「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、水の上を歩いてそちらに行かせてください。」*29*

イエスが「来なさい」と言われたので、ペトロは舟から降りて水の上を歩き、イエスの方へ進んだ。*30*

しかし、強い風に気がついて怖くなり、沈みかけたので、「主よ、助けてください」と叫んだ。*31*

イエスはすぐに手を伸ばして捕まえ、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」と言われた。*32*そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった。*33*

舟の中にいた人たちは、「本当に、あなたは神の子です」と言ってイエスを拝んだ。



【説教】


「神の語られることばを聞こう。神は平和を約束される、その民、神に従う民に、心を神に向ける人に。」


今日の詩篇のことばです。平和旬間を過ごしている私たちは、神の語られることばを分かち合うために、ここに集まっています。分かち合いとは、ともに、神に心を向けることから始まります。そして、神に聞き従って、毎日を、ともに生きることです。対立や分断が進む世界にあって、対話をしながら、ともに生きていくことです。さまざまな違いによって、ともに豊かになっていくことです。こうした分かち合いが行われる時、平和が実現しています。


今日の第一朗読は、神である主と預言者エリヤの、出会いの物語です。この物語で大切なことは、主がどこにおられるのかということです。主は、風や地震や火の中におられません。風や地震や火は、自然の働きです。しかし、人間が用いる武器や兵器がもたらすものでもあります。その意味で、主は、武器や兵器が用いられるところにはおられないのです。主は、武力による平和を約束されていないのです。では、主は、どこにおられるのでしょうか。主は、「静かにささやく声」の中におられるのです。静かにささやく声を聞くためには、相手の言うことに耳を傾けようという姿勢が必要です。理解しようという心がまえが必要です。そして、聞いてもらえる、分かってもらえるという信頼が必要です。静かにささやく声に、謙虚に心を向ける時、心を向け合う時、私たちは、神が約束される平和に包まれます。静かにささやく声を聞き合うことこそ、真の対話なのです。声の小さい人、声を出すことができない人のことばが、生き方が大切にされることが平和なのです。


今日の福音は、「祈るためにひとり山にお登りになった」主イエスの姿を伝えています。真の平和は、対話によって実現します。その対話の基本は、祈りです。祈りは、自分の思いを無にすることから始まります。そして、無になった心を、神の思いで満たすことです。まわりの人の思い、まわりのいのちの息遣いで満たすことです。そこから、すべてのいのちが幸せであってほしいという、心からの願いが生まれます。この祈りの心から、対話が、真の平和が生まれます。真の対話は、自分の主張を通すことではありません。互いの思い、互いの願いを知ることが、知ろうとすることが対話なのです。そして、ともに幸せになる道を探すこと、ともに歩める道を築いていくことが、対話という平和なのです。


この後、「イエスは、湖の上を歩いて弟子たちのところに行かれ」ます。平和について語ることは、たやすいことです。独裁者も、平和を守ることを約束します。平和を破壊したいと言う権力者はいません。しかし、真の平和を実現することは、不可能と言いたくなるほど困難です。まさに、「湖の上を歩く」ようなことです。まず、歩くことができるのかという疑いが生じます。歩き始めたとしても、沈むのではないかという恐れに取りつかれます。実際、何度も「沈みかけ」ます。そんな弟子たちに、真の平和を祈っている私たちに、主イエスは、言われます。「来なさい」と。私たちは、ペトロのように、「舟から降りて水の上を歩き、イエスの方に進ん」で行くように励まされています。私たちは、舟という安全保障、武力による偽りの平和から降ります。そして、真の平和であるキリストの方に進んでいきます。水の上という平和の道を通って。沈みかけた時は、「主よ、助けてください」と叫んで。主は、私たちとともにいて、必ず助けてくださいます。私たちは、沈みかけることはあっても、絶対に沈みません。私たちは、今、絶対に沈まないという確信をもって、キリストの平和への道を歩みたいと思います。


今年も、広島の平和記念式典において、こども代表による「平和への誓い」が宣言されました。この宣言の中で、次のように述べられています。「私たちにもできることがあります。自分の思いを伝える前に、相手の気持ちを考えること。友だちのよいところを見つけること。みんなの笑顔のために自分の力を使うこと。今、平和への思いを一つにする時です。被爆者の思いを自分事として受け止め、自分の言葉で伝えていきます。身近にある平和をつないでいくために、一人一人が行動していきます。」私たちは、今日、この誓いを分かち合いたいと思います。思いを一つにして、真の平和の実現のために、私たちができることを実行していきたいと思います。対話を続けながら、祈りを込めて、実行していきたいと思います。



※2023年「平和への誓い」テキスト全文↓


https://www.city.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/216405.pdf



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一場 修


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