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7月28日「年間第17主日」の聖書朗読と説教

7月28日「年間第17主日」の聖書朗読と説教


 一場神父から上記説教等が届きましたので掲載します。


◆◆◆


小教区窓口の皆様


いつもお世話になり、ありがとうございます。


7月28日「年間第17主日」の聖書朗読と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、7月28日午前7時に公開予定です。


よろしくお願い致します。


27日午後から28日午前まで、、西院教会で、KTB(京丹ブロック)中高生会が行われます。実り多い集いとなるよう、皆様のお祈りをお願い致します。猛暑が続きます。熱中症などにお気をつけください。皆様のために、お祈りしています。


一場


◆◆◆


【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)



◆◆◆


〔7月28日/年間第17主日〕

【第一朗読/列王記下4・42-44】



(列王記)


ギルガルの地が飢饉に見舞われていたとき、*4・42*

一人の男がバアル・シャリシャから初物のパン、大麦パン二十個と新しい穀物を袋に入れて神の人〔エリシャ〕のもとに持って来た。神の人は、「人々に与えて食べさせなさい」と命じたが、

*43*

召し使いは、「どうしてこれを百人の人々に分け与えることができましょう」と答えた。エリシャは再び命じた。「人々に与えて食べさせなさい。主は言われる。『彼らは食べきれずに残す。』」

*44*召し使いがそれを配ったところ、主の言葉のとおり彼らは食べきれずに残した。

【答唱詩編/詩編145・10+11、15+16、17+18】


いのちあるすべてのものに、主は食物を恵まれる。

(詩編145)


*145・10*神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、

あなたに従う人は感謝してうたう。

*11*彼らはあなたの国の栄光を語り、

力あるあなたのわざを告げる。


*15*神を待ち望むすべてのものに、

いのちのかてを豊かに恵まれる。

*16*生きているすべてのものの願いを、

神は豊かに満たされる。


*17*神の行われることはすべて正しく、

そのわざはいつくしみに満ちている。

*18*助けを求めるすべての人と、

心から祈る人のそばに神はおられる。

【第二朗読/エフェソ4・1-6】


霊による一致を保つように努めなさい。

(使徒パウロのエフェソの教会への手紙)


皆さん、*4・1*主に結ばれて囚人となっているわたしはあなたがたに勧めます。神から招かれたのですから、その招きにふさわしく歩み、*2*

一切高ぶることなく、柔和で、寛容の心を持ちなさい。愛をもって互いに忍耐し、*3*平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。*4*

体は一つ、霊は一つです。それは、あなたがたが、一つの希望にあずかるようにと招かれているのと同じです。*5*主は一人、信仰は一つ、洗礼は一つ、*6*

すべてのものの父である神は唯一であって、すべてのものの上にあり、すべてのものを通して働き、すべてのものの内におられます。

【福音朗読/ヨハネ6・1-15】


アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

(ヨハネによる福音)


そのとき、*6・1*イエスはガリラヤ湖、すなわちティベリアス湖の向こう岸に渡られた。*2*

大勢の群衆が後を追った。イエスが病人たちになさったしるしを見たからである。*3*イエスは山に登り、弟子たちと一緒にそこにお座りになった。*4*

ユダヤ人の祭りである過越祭が近づいていた。*5*

イエスは目を上げ、大勢の群衆が御自分の方へ来るのを見て、フィリポに、「この人たちに食べさせるには、どこでパンを買えばよいだろうか」と言われたが、*6*

こう言ったのはフィリポを試みるためであって、御自分では何をしようとしているか知っておられたのである。*7*

フィリポは、「めいめいが少しずつ食べるためにも、二百デナリオン分のパンでは足りないでしょう」と答えた。*8*

弟子の一人で、シモン・ペトロの兄弟アンデレが、イエスに言った。*9*

「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう。」*10*

イエスは、「人々を座らせなさい」と言われた。そこには草がたくさん生えていた。男たちはそこに座ったが、その数はおよそ五千人であった。*11*

さて、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えてから、座っている人々に分け与えられた。また、魚も同じようにして、欲しいだけ分け与えられた。*12*

人々が満腹したとき、イエスは弟子たちに、「少しも無駄にならないように、残ったパンの屑を集めなさい」と言われた。*13*

集めると、人々が五つの大麦パンを食べて、なお残ったパンの屑で、十二の籠がいっぱいになった。*14*

そこで、人々はイエスのなさったしるしを見て、「まさにこの人こそ、世に来られる預言者である」と言った。*15*

イエスは、人々が来て、自分を王にするために連れて行こうとしているのを知り、ひとりでまた山に退かれた。



【説教】


今週の福音書は、主イエスが、パンと魚を「大勢の群衆」と分かち合う出来事を伝えています。


主イエスは、「大勢の群衆がご自分の方へ来るのを見て、」弟子に問いかけられます。「どこでパンを買えばよいだろうか」と。弟子のフィリポが答えているように、大勢の群衆を満腹させるパンを買うことはできません。全員が少ししか食べられないか、食べることができる人を限定することになります。実際、私たちが生きている世界で、今起こっていることは、次のようなことです。お金がなく、食べ物を買うことができないという理由で、あまりにも多くの人が、飢餓に苦しんでいます。生命を維持するための栄養は補給されていても、食べる楽しみを味わえない、多くの子どもたちがいます。その一方で、売れ残ったり、食べ残したたりした食べ物が、大量に捨てられています。人のいのちを支える食べ物が、金儲けの手段となっているのです。お金を持っていないという理由だけで、人間として生きる権利を奪われているのです。お金で、すべての人を満腹させることはできないのです。


今日の福音書では、主イエスの問いに対して、もう一つの答えが示されています。もう一人の弟子アンデレは、答えます。「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます」と。アンデレは、少年の持ってパンと魚について、「何の役にも立たない」と考えています。しかし、このパンと魚こそが、奇跡を起こします。どのような奇跡が起きたのでしょうか。福音書は、主がパンと魚を増やされたと伝えていません。何が起こったのでしょうか。


福音書は、次のように伝えています。「イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えてから、座っている人々に分け与えられた。また、魚も同じようにして、欲しいだけ分け与えられた。」主がなさったことは、感謝の祈りを唱えて、分け与えたということだけです。感謝の祈りは、パンと魚を与えてくださった神に感謝をささげる祈りです。そして、私たちに大切なことを起こさせる祈りです。私たちが食べ物を得ることができるのは、お金を払って買うからではありません。神が、私たちに与えてくださるからです。神がお与えになるものを、お金の力で自分のもの、自分だけのものとすることはできません。感謝の祈りは、こうした真理を、私たちに気づかせるのです。神から与えられた、自分の持っているものを、喜んで、まわりの人と分かち合いたい。そのような思いを、私たちの心にもたらす祈りなのです。


主イエスの感謝の祈りを知った人々は、自分も、あの少年のように、自分が持っているものをささげようという思いを抱いたのではないでしょうか。だから、パンが増えたのではありません。主に、パンや魚をささげる人が増えたのです。少年に続いて、たくさんの人が、パンや魚をささげたのです。そして、主イエスによって「分け与え」られることで、皆で分かち合い、皆が「満腹した」のです。皆が、感謝の心を持ち、持っているものをささげ、いただいたものを分かち合う。それによって、誰もが満腹する。これこそが、主イエスが起こされた奇跡なのです。感謝の祈りがもたらした奇跡なのです。


お金を払えば何でもできる。お金を払えば、感謝などする必要はない。そうした思いが、多くの人の心を支配しています。この世界から、神への感謝、地球への感謝、隣人への感謝が失われつつあります。感謝がないところに、満たされた心はありません。あるのは、貪欲であり、欲を満たせないことから生じる怒りです。怒りは、私たちの心の目を見えなくします。心の目が見えなくなる時、大切なものが見えなくなります。いのちという最も大切なものを犠牲にして、富、権力、領土を追い求めるようになります。言い換えれば、本当の平和が失わます。今、世界で起こっていることです。


私たち教会は、主イエスから、感謝の心を豊かにいただいています。この感謝の心を広げていきましょう。主ともに、感謝の祈りをささげながら、この世界の中で生きていきましょう。あの少年のように、自分の持っている、わずかなパンと魚をささげながら、福音の喜びに満たされて、歩んでいきましょう。感謝の心を持って生きいる姿こそが、私たちが証しする福音なのです。この世界に平和をもたらす福音なのです。

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