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11月12日「年間第32主日」の朗読聖書と説教

  • kiotanblock
  • Nov 9, 2023
  • 7 min read

11月12日「年間第32主日」の朗読聖書と説教


 一場神父から11月12日「年間第32主日」の朗読聖書と説教が届きましたので掲載します。


◆◆◆


小教区窓口の皆様


いつもお世話になり、ありがとうございます。


11月12日「年間第32主日」の朗読聖書と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」については、一場が司式予定の


《京都 みんなで捧げるミサ 》



をご覧いただければと思います。11日(土)の朝に配信される予定です。


よろしくお願い致します。


11月は、死者の月です。ともに祈りましょう。また、世界平和のために、心を合わせて祈りたいと思います。週末から気温が下がるようです。どうぞご自愛ください。皆様のためにお祈りしています。


一場

◆◆◆


【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)

 ※今回の年間第32主日ミサは上記のURLです。



◆◆◆

〔11月12日/年間第32主日〕

【第一朗読/知恵6・12-16】知恵の書


*6・12*知恵は輝かしく、朽ちることがない。

知恵を愛する人には進んで自分を現し、

探す人には自分を示す。

*13*求める人には自分の方から姿を見せる。

*14*知恵を求めて早起きする人は、苦労せずに

自宅の門前で待っている知恵に出会う。

知恵に思いをはせることは、最も賢いこと、

*15*知恵を思って目を覚ましていれば、心配もすぐに消える。

*16*知恵は自分にふさわしい人を求めて巡り歩き、

道でその人たちに優しく姿を現し、

深い思いやりの心で彼らと出会う。

【答唱詩編/詩編63・2、3+4、5+6】


荒れ地のかわき果てた土のように、神よ、わたしはあなたを慕う。

答唱63


*63・2*神よ、わたしの神よ、わたしはあなたを慕う。

水のない荒れ果てた土地のように、

わたしの心はあなたを慕い、

からだはあなたをかわき求める。


*3*あなたの力と栄えにあこがれて、

聖所であなたを仰ぎ見る。

*4*あなたの恵みはいのちにまさり、

わたしの口はあなたをたたえる。


*5*いのちのある限り、あなたに感謝し、

手を高く上げてあなたの名を呼び求める。

*6*もてなしを受けた時のように、

わたしの心は豊かに満たされる。

【第二朗読/①テサロニケ4・13-18】使徒パウロのテサロニケの教会への手紙


*4・13*兄弟たち、既に眠りについた人たちについては、希望を持たないほかの人々のように嘆き悲しまないために、ぜひ次のことを知っておいてほしい。*14*

イエスが死んで復活されたと、わたしたちは信じています。神は同じように、イエスを信じて眠りについた人たちをも、イエスと一緒に導き出してくださいます。


*15*主の言葉に基づいて次のことを伝えます。主が来られる日まで生き残るわたしたちが、眠りについた人たちより先になることは、決してありません。*16*

すなわち、合図の号令がかかり、大天使の声が聞こえて、神のラッパが鳴り響くと、主御自身が天から降って来られます。すると、キリストに結ばれて死んだ人たちが、まず最初に復活し、

*17*

それから、わたしたち生き残っている者が、空中で主と出会うために、彼らと一緒に雲に包まれて引き上げられます。このようにして、わたしたちはいつまでも主と共にいることになります。

*18*ですから、今述べた言葉によって励まし合いなさい。

【福音朗読/マタイ25・1-13】


アレルヤ、アレルヤ。目覚めて用意していなさい。人の子は思いがけない時に来る。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音


そのとき、イエスは弟子たちにこのたとえを語られた。*25・1*

「天の国は次のようにたとえられる。十人のおとめがそれぞれともし火を持って、花婿を迎えに出て行く。*2*そのうちの五人は愚かで、五人は賢かった。*3*

愚かなおとめたちは、ともし火は持っていたが、油の用意をしていなかった。*4*賢いおとめたちは、それぞれのともし火と一緒に、壼に油を入れて持っていた。

*5*ところが、花婿の来るのが遅れたので、皆眠気がさして眠り込んでしまった。*6*真夜中に『花婿だ。迎えに出なさい』と叫ぶ声がした。*7*

そこで、おとめたちは皆起きて、それぞれのともし火を整えた。*8*

愚かなおとめたちは、賢いおとめたちに言った。『油を分けてください。わたしたちのともし火は消えそうです。』*9*

賢いおとめたちは答えた。『分けてあげるほどはありません。それより、店に行って、自分の分を買って来なさい。』*10*

愚かなおとめたちが買いに行っている間に、花婿が到着して、用意のできている五人は、花婿と一緒に婚宴の席に入り、戸が閉められた。*11*

その後で、ほかのおとめたちも来て、『御主人様、御主人様、開けてください』と言った。*12*

しかし主人は、『はっきり言っておく。わたしはお前たちを知らない』と答えた。*13*

だから、目を覚ましていなさい。あなたがたは、その日、その時を知らないのだから。」



【説教】


私たちは今、「主が来られる日」、主イエスの再臨を待ち望んでいます。主が来られる日は、天の国、神の国が完成する時です。悪の力が滅ぼされ、愛がすべてとなる時です。


今日の福音で、主イエスは再び、天の国について語られます。主イエスが花婿にたとえられ、この世界が、すべてのいのちが花嫁にたとえられています。そして、天の国が、花嫁と花婿の愛の交わりである「婚宴の席」にたとえられています。私たち教会は、「おとめたち」です。私たちは、「それぞれともし火を持って、花婿を迎えに出て行く」のです。


「ともし火」は、私たち一人ひとりに与えられている福音です。主イエスがはっきり言われている通り、私たちは、主が再び来られる、「その日、その時を知らない」のです。ですから、「目を覚まして」、ともし火をともし続けなければならないのです。「ともし火」という福音は、主が再び来られることを告げる福音です。主が生きておられることを告げる福音です。今、ここに主がおられることを告げる福音です。そして、主によって生かされている、いのちの輝きです。福音によって生きている私たちが、福音のともし火なのです。


しかし、私たちは皆、弱い人間です。「皆眠気がさして眠り込んでしま」うこともあります。福音を宣べ伝えても、何も変わらないと思い、疲れてしまうことがあります。世界の対立や分断が大きくなっていくのを目の当たりにする時、福音の「ともし火は消えそう」になります。そして、「花婿の来るのが遅れ」ていると思ってしまいます。しかし、主イエスの来られるのが、「遅れ」ているのではないのです。私たちが、主の来られる時を「知らない」だけなのです。ですから、私たちは、「油の用意」をしておきたいと思います。予想や期待がはずれても良いように、「壺に油を入れて持って」、主の再臨、天の国の完成の日を待ち続けたいと思います。


では、「油の用意」とは、何でしょうか。それは、「信頼」であると言うことができます。10月4日の「ラウダーテ・デウム」に続き、10月15日に、フラシスコ教皇のもう一つの使徒的勧告、「セ・ラ・コンフィアンス」が発表されました。この文書は、幼いイエスの聖テレジア生誕150年を記念して、「神のいつくしみ深い愛への信頼ついて」述べられています。この文書のタイトルは、「わたしたちを愛に導くのは信頼であり、信頼以外の何ものでもありません」という、テレジアの言葉から取られています。「ラウダーテ・デウム」で、私たちは、「目を覚まして」、地球の気候危機に取り組むよう求められています。そして、私たちは、この文書が示す、愛への「信頼」をもって、さまざまな「危機」に取り組むよう求められていると言えます。


神への信頼があれば、私たちは、祈り続けることができます。私たちの期待や予想通りにいかない時こそ、神にすべてを委ねて、祈ることができます。隣人への信頼があれば、私たちは、対話を続けることができます。暴力を用いることなく、忍耐強く対話することができます。危機の時こそ、対話を深めることができます。信頼に基づく祈りと対話のうちに、私たちは、主イエスを迎えることができます。天の国の完成である婚宴の席に、ともに入ることができます。


この世界には、今、「信頼」という油が不足しています。信頼が不足する時、恐れが大きくなります。恐れのあるところに暴力が生まれます。自分たちだけが生き残れば良いという自己中心的な考えにとりつかれた暴力です。現在生きているいのちだけでなく、未来のいのちを破壊する暴力です。私たちから、愛する力を奪う暴力です。肉体的に生存できても、愛を信頼できなければ、愛することができなければ、私たちは、本当の意味で生きていくことはできません。


今日の福音のたとえでは、「油」を分かち合うことはできないとされています。しかし、私たちに与えられている、「信頼」という油は、分かち合うことができます。分かち合うことで、油の量は増えていきます。私たちは、この油を分かち合いたいと思います。そして、ともに、天の国の完成の祝宴の席に入りたいと思います。「開けてください」という人が一人もいないように、信頼を深め、広げていきたいと思います。すべてのいのちが天の国に入るようにするために、主イエスの再臨は遅れているのかもしれません。そうならば、主の愛に信頼して、待ち続けたいと思います。


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