11月19日「年間第33主日」の朗読聖書と説教
- kiotanblock
- Nov 14, 2023
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11月19日「年間第33主日」の朗読聖書と説教
一場神父から11月19日「年間第33主日」の朗読聖書と説教が届きましたので掲載します。
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小教区窓口の皆様
いつもお世話になり、ありがとうございます。
11月19日「年間第33主日」の朗読聖書と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、11月19日(日)午前9時に公開予定です。
よろしくお願い致します。
11月は、死者の月です。ともに祈りましょう。また、世界平和のために、心を合わせて祈りたいと思います。気温が急激に下がりました。体調を崩さないように、どうぞご自愛ください。皆様のためにお祈りしています。
一場
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【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)
https://www.youtube.com/channel/UCabRcWL-YVYvkpofce8Nptg
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〔11月19日/年間第33主日〕
【第一朗読/箴言31・10-13、19-20、30-31】箴言
*31・10*有能な妻を見いだすのは誰か。
真珠よりはるかに貴い妻を。
*11*夫は心から彼女を信頼している。
儲けに不足することはない。
*12*彼女は生涯の日々
夫に幸いはもたらすが、災いはもたらさない。
*13*羊毛と亜麻を求め
手ずから望みどおりのものに仕立てる。
*19*手を糸車に伸べ、手のひらに錘をあやつる。
*20*貧しい人には手を開き、乏しい人に手を伸べる。
*30*あでやかさは欺き、美しさは空しい。
主を畏れる女こそ、たたえられる。
*31*彼女にその手の実りを報いよ。
その業を町の城門でたたえよ。
【答唱詩編/詩編103・2+3ab、3cd+5+6a】
しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。
詩編103
*103・2*ひたいに汗してかてを受け、
恵みと平和に満たされる。
*3ab*実り豊かなぶどうの木のように、
妻は家庭を潤す。
*3cd*オリーブの若木のように、
子どもたちは食卓を囲む。
*5*神の祝福がシオンから臨み、いのちのある限り、
*6a*エルサレムの栄えと数多くの子孫の群れを見る。
【第二朗読/①テサロニケ5・1-6】使徒パウロのテサロニケの教会への手紙
*5・1*兄弟たち、その時と時期についてあなたがたには書き記す必要はありません。*2*
盗人が夜やって来るように、主の日は来るということを、あなたがた自身よく知っているからです。*3*
人々が「無事だ。安全だ」と言っているそのやさきに、突然、破滅が襲うのです。ちょうど妊婦に産みの苦しみがやって来るのと同じで、決してそれから逃れられません。
*4*しかし、兄弟たち、あなたがたは暗闇の中にいるのではありません。ですから、主の日が、盗人のように突然あなたがたを襲うことはないのです。*5*
あなたがたはすべて光の子、昼の子だからです。わたしたちは、夜にも暗闇にも属していません。*6*
従って、ほかの人々のように眠っていないで、目を覚まし、身を慎んでいましょう。
【福音朗読/マタイ25・14-30】
アレルヤ、アレルヤ。わたしのうちにとどまりなさい。わたしもあなたがたのうちにいる。わたしにとどまる人は多くの実を結ぶ。アレルヤ、アレルヤ。
マタイによる福音
そのとき、イエスは弟子たちにこのたとえを語られた。*25・14*
「天の国はまた次のようにたとえられる。ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた。*15*
それぞれの力に応じて、一人には五タラントン、一人にはニタラントン、もう一人には一タラントンを預けて旅に出かけた。早速、*16*
五タラントン預かった者は出て行き、それで商売をして、ほかに五タラントンをもうけた。*17*
同じように、ニタラントン預かった者も、ほかにニタラントンをもうけた。*18*
しかし、一タラントン預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠しておいた。
*19*さて、かなり日がたってから、僕たちの主人が帰って来て、彼らと清算を始めた。*20*
まず、五タラントン預かった者が進み出て、ほかの五タラントンを差し出して言った。『御主人様、五タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに五タラントンもうけました。』
*21*主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』*22*
次に、ニタラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、ニタラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかにニタラントンもうけました。』*23*
主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』*24*
ところで、一タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方だと知っていましたので、
*25*恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントンを地の中に隠しておきました。御覧ください。これがあなたのお金です。』*26*
主人は答えた。『怠け者の悪い僕だ。わたしが蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集めることを知っていたのか。*27*
それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきであった。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きで返してもらえたのに。*28*
さあ、そのタラントンをこの男から取り上げて、十タラントン持っている者に与えよ。*29*
だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。*30*
この役に立たない僕を外の暗闇に追い出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』」
【説教】
「すべてを治められる父よ、み旨に従って生きる人に、あなたは神の国の喜びを備えてくださいます。あなたからいただくすべてのものが、救いのみわざの完成に役立つものとなりますように。」私たちは今週、この集会祈願を繰り返しながら、共同体として、ともに歩んでいきたいと思います。神の国では、すべてのものが、神の恵みです。言いかえれば、すべてのものが、神の恵みとして大切され、皆で分かち合われる時、神の国が完成します。すべてのいのちが、すべてのものを喜ぶことができる時、神の国の喜びがすべてにおよびます。私たちは、神の国の喜びのうちに、神の国の完成を心から願いながら、この一週間を歩んでいきたいと思います。
今日の福音のたとえは、み旨に従って歩んでいる、歩もうとしている私たちへの、主イエスの励ましの御言葉です。私たち皆に、「タラントン」が与えられています。「タラントン」とは、神の大きな恵みのたとえです。たとえでは、人によって、与えられる額が異なっています。私たちに与えられている恵みは、人によって異なります。大切なことは、誰もが大きな恵みを与えられているということです。私たちは、違いに拘らないようにしたいと思います。違いばかりに目を向けてしまうと、恵みの大きさを見失ってしまうからです。恵みを与えられている喜びを失ってしますからです。
み旨に従って歩んでいる私たちは、与えられた「タラントン」を増やすように励まされています。与えられた恵みを増やすとは、与えられた恵みを、まわりの人、まわりのいのちと分かち合うということです。そして、多く与えられている人は、多くを分かち合うように求められているのです。「五タラントン預かった者」は、「ほかの五タラントンを差し出」さなければならないのです。さらに、「預かった」という言葉が示すように、神の恵みは、神のものなのです。分かち合いによって豊かになった恵みも、自分のものとせず、神に「差し出」さなければならないのです。私たちは、恵みを豊かに体験することはできますが、恵みを自分のものにすることはできないのです。恵みは、分かち合うことはできますが、独り占めすることはできないのです。
そして、「一タラントン預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠してお」きます。大きな恵みを与えられているのに、喜びがないのです。恵みが失われることを恐れて、分かち合おうとしないのです。自分が預かっている恵みを、まわりの人のために役立てようとしないのです。そして、主イエスは、はっきりと言っておられます。「だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。」恵みを分かち合う人は、更に豊かな恵みが与えられが、分かち合わない人の恵みは失われると警告しておられるのです。神からの恵みは、分かち合うことで、本当の意味で、恵みとなるのです。神からいただくものは、分かち合うことで、良いものとなるのです。分かち合わずに、「地の中に隠してお」いたら、悪いものになるのです。
今日は、「貧しい人のための世界祈願日」です。第7回となる今年の教皇メッセージのテーマは、「どんな貧しい人にも顔を背けてはならない」です。旧約聖書続編のトビト記4章7節の言葉から取られています。トビトという人は、徹底して、神のみ旨に従って生きる人でした。この言葉は、そのトビトから息子トビアに伝えられた遺言からの言葉です。トビトは、神からの恵みを、徹底して分かち合いました。特に貧しい人と分かち合いました。自分が貧しくなっても、分かち合い続けました。トビトは、自分も貧しくなることで、神の恵みの大きさをさらに深く体験したのです。私たちも今日、トビトの、この言葉を、私たちへの招きとして受けとめましょう。貧しい人と交わり、神の恵みを分かち合うことで、私たち皆で、ともに豊かになっていきましょう。誰もが、神の前で貧しい者であることを思い起こし、神にも、隣人にも、自分自身にも顔を背けず、神の国の完成に向かって、ともに歩んでいきたいと思います。
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