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2月11日「年間第6主日」の朗読聖書と説教

  • kiotanblock
  • Feb 4, 2024
  • 6 min read

2月11日「年間第6主日」の朗読聖書と説教

 一場神父から2月11日「年間第6主日」の朗読聖書と説教が届きましたので掲載します。

◆◆◆

小教区窓口の皆様

いつもお世話になり、ありがとうございます。

2月11日「年間第6主日」の朗読聖書と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、2月11日(日)午前9時に公開予定です。

よろしくお願い致します。

戦争や自然災害により苦しみに置かれている人たちのために祈り続けましょう。皆様ご自愛ください。皆様のためにお祈りしています。

一場

◆◆◆

【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)

◆◆◆

〔2月11日/年間第6主日〕

【第一朗読/創世記3・16-19】創世記

3・16神は女に向かって言われた。

「お前のはらみの苦しみを大きなものにする。

お前は、苦しんで子を産む。

お前は男を求め

彼はお前を支配する。」

17神はアダムに向かって言われた。

「お前は女の声に従い取って食べるなと命じた木から食べた。

お前のゆえに、土は呪われるものとなった。

お前は、生涯食べ物を得ようと苦しむ。

18お前に対して

土は茨とあざみを生えいでさせる

野の草を食べようとするお前に。

19お前は顔に汗を流してパンを得る

土に返るときまで。

お前がそこから取られた土に。

塵にすぎないお前は塵に返る。」

【答唱詩編/詩編32・5、10+11】

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

詩編32

32・5わたしは罪をあなたに表し、

わたしのとがを隠さずに言う。

あなたはわたしの罪をゆるし、

わたしのとがを清めてくださる。

10神に逆らう者は嘆きに包まれ、

神に信頼する人は恵みにおおわれる。

11神に従う人は神のうちにあって喜べ。

心の正しい人はみな喜び歌え。

【第二朗読/①コリント10・31-11・1】使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、*10・31*あなたがたは食べるにしろ飲むにしろ、何をするにしても、すべて神の栄光を現すためにしなさい。*32*

ユダヤ人にも、ギリシア人にも、神の教会にも、あなたがたは人を惑わす原因にならないようにしなさい。*33*

わたしも、人々を救うために、自分の益ではなく多くの人の益を求めて、すべての点ですべての人を喜ばそうとしているのですから。*11・1*

わたしがキリストに倣う者であるように、あなたがたもこのわたしに倣う者となりなさい。

【福音朗読/マルコ1・40-45】

アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、*1・40*重い皮膚病を患っている人が、イエスのところに来てひざまずいて願い、「御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と言った。

41イエスが深く憐れんで、手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、*42*たちまち重い皮膚病は去り、その人は清くなった。

43イエスはすぐにその人を立ち去らせようとし、厳しく注意して、*44*

言われた。「だれにも、何も話さないように気をつけなさい。ただ、行って祭司に体を見せ、モーセが定めたものを清めのために献げて、人々に証明しなさい。」

45

しかし、彼はそこを立ち去ると、大いにこの出来事を人々に告げ、言い広め始めた。それで、イエスはもはや公然と町に入ることができず、町の外の人のいない所におられた。それでも、人々は四方からイエスのところに集まって来た。

【説教】

主イエスが宣べ伝える神の国は、今日、共同体の壁を越えて広がっていきます。共同体の交わりから排除されていた「重い皮膚病を患っている人」が、共同体の交わりに復帰するのです。

今日の福音で、まず第一に大切なことは、主イエスが、重い皮膚病を患っている人の近づいて来られるところにおられたということです。重い皮膚病を患っている人は、汚れた者とされて、共同体の外にいなければなりませんでした。そうした状況に置かれた人が、イエスと接触することができたのです。ですから、イエスは、共同体の外に出て行かれたということになります。町や村の外、会堂の外で宣教されたことになります。主イエスがおられるところ、生きておられるところはすべて、神の国です。そう考えると、神の国は、共同体の外へと広がっていったということになります。というより、共同体の内と外の区別がなくなることが、なくなっていくことが、神の国なのです。逆に言えば、内と外という壁があるところには、神の国は実現していないということになります。

皮膚病を患っている人は、主イエスに願います。「御心ならば、わたしを清くすることがおできになります。」主は、「手を差し伸べて、その人に触れ」、宣言されます。「よろしい。清くなれ。」もちろん、皮膚病を患っている人は、清くされます。しかし、ここで、清くされるのは、この人だけでしょうか。汚れていたのは、この人だけでしょうか。私たちは今日、この問いかけを、真剣に、受け止めるように求められています。

重い皮膚病を患っている人だけが、汚れているのではありません。共同体の内と外を分けている、私たちが汚れているのです。だれかを共同体の外に追い出し、安心している、私たちが汚れているのです。ともに生きていくことなど不可能だと決めつけている、私たちが汚れているのです。戦争をやめられない、私たちが汚れているのです。苦しんでいる人の痛みを感じられない、感じようとしない、私たちが汚れているのです。だれかを悪者にして、自分は正しいと主張している、私たちが汚れているのです。だから、私たちは今日、主イエスに、「ひざまずいて願い」たいと思います。「御心ならば、わたしたちを清くすることがおできになります。」そう願う時、主は、私たちに触れ、宣言されます。「よろしい。清くなれ。」

共同体の内と外を分けて、だれかを排除することで、安心を得ようとすること。それは、私たち人間が抱えている慢性的な病いです。私たち教会も、この病いから逃れることはできません。だから、私たちは、こうして集まって、自分の汚れを認めて、主に願います。「主よ、いつくしみをわたしたちに。」主は、私たちを清めてくださいます。清め続けてくださいます。そして、私たちは、この世界が清められるように祈ります。汚れた世界にキリストの平和が与えられるように、日々、祈っています。教会は、汚れのないところではなく、汚れを清められ続けているところなのです。世界がどのように汚れても、清くなることができる。教会は、この福音を、この希望を世界に告げ知らせなければならないのです。実際、告げ知らせることができるのです。

今日、2月11日は、「世界病者の日」です。今年のテーマは、「関係性をいやすことで、病者をいやす」です。重い皮膚病を患っている人は、共同体との関係を取り戻すことで、本当の意味でいやされました。そして、今の世界こそ、このいやしを必要としています。私たちは、さまざまな関係性の中で生きています。さまざまな関係を断ち切っては生きていけません。今、この関係が、傷ついています。だから、いやされる必要があります。この日の教皇メッセージの中で、次のように述べられています。「病気のときにまず必要とされるケアは、いつくしみと優しさに満ちた寄り添いです。それゆえ病者のケアとは、何よりその人の関係性、つまり神とのかかわり、他者ー家族、友人、医療従事者ーとのかかわり、被造物とのかかわり、自分自身とのかかわり、そうしたすべての関係をケアすることなのです。」

神の国は、さまざまな関係、生かし合う関係からなり立つ交わりです。すべての人を包み込んでいく交わりです。だれかを排除したいという、汚れた思いを、主に清めていただきながら、成長していく交わりです。神の国とは、この世界が清められていくことなのです。この清めを信じて、清めがもたらす交わりの完成を信じて、ともに歩んでいきたいと思います。

※2024年「第32回世界病者の日」教皇メッセージ↓


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