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2月16日「年間第6主日」の聖書朗読と説教

  • kiotanblock
  • Feb 12
  • 7 min read

2月16日「年間第6主日」の聖書朗読と説教


 一場神父から上記説教等が届きましたので掲載します。


◆◆◆


京丹ブロックの皆様


いつもお世話になり、ありがとうございます。


2月16日「年間第6主日」の聖書朗読と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、2月16日(日)午前7時に公開予定です。よろしくお願い致します。


説教でも触れていますが、下記の文書が、日本カトリック司教協議会社会司教委員会から発行されています。とても大切なことが述べられています。ともに学びたいと思います。


社会司教委員会『すべてのいのちを守る教会をめざして — ハンセン病問題過ちを繰り返さないために』



厳しい寒さが続いています。皆様、どうぞご自愛ください。皆様のために、毎日お祈りしています。


一場


◆◆◆


【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)



◆◆◆


〔2月16日/年間第6主日〕

【第一朗読/エレミヤ17・5-8】



(エレミヤの預言)


*17・5*主はこう言われる。

呪われよ、人間に信頼し、肉なる者を頼みとし

その心が主を離れ去っている人は。

*6*彼は荒れ地の裸の木。

恵みの雨を見ることなく

人の住めない不毛の地

炎暑の荒れ野を住まいとする。

祝福されよ、主に信頼する人は。

主がその人のよりどころとなられる。

*8*彼は水のほとりに植えられた木。

水路のほとりに根を張り

暑さが襲うのを見ることなく

その葉は青々としている。

干ばつの年にも憂いがなく

実を結ぶことをやめない。

【答唱詩編】


しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。

(詩編1)


*1・1ac*しあわせなひと、

罪びとの道を歩むことなく、

*2*神のおきてを喜びとし、

昼も夜も教えを心に留める人。


*3*流れのほとりに植えられた木が、

季節になると豊かに実り、

葉もしおれることのないように、

この人の行いも実を結ぶ。


*6*神に従う人のつどいは

神のもとにあり、

神に逆らう者の道は、

滅びへとつづく。

【第二朗読/①コリント15・12、16-20】


キリストが復活しなかったのなら、あなたがたの信仰はむなしい。

(使徒パウロのコリントの教会への手紙)


皆さん、*15・12*

キリストは死者の中から復活した、と宣べ伝えられているのに、あなたがたの中のある者が、死者の復活などない、と言っているのはどういうわけですか。*16*

死者が復活しないのなら、キリストも復活しなかったはずです。*17*

そして、キリストが復活しなかったのなら、あなたがたの信仰はむなしく、あなたがたは今もなお罪の中にあることになります。*18*

そうだとすると、キリストを信じて眠りについた人々も滅んでしまったわけです。*19*

この世の生活でキリストに望みをかけているだけだとすれば、わたしたちはすべての人の中で最も惨めな者です。*20*

しかし、実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました。

【福音朗読/ルカ6・17、20-26】


アレルヤ、アレルヤ。喜びおどれ、天においてあなたがたの報いは大きい。アレルヤ、アレルヤ。

(ルカによる福音)


そのとき、*6・17*

イエスは十二人と一緒に山から下りて、平らな所にお立ちになった。大勢の弟子とおびただしい民衆が、ユダヤ全土とエルサレムから、また、ティルスやシドンの海岸地方から来ていた。


*20*さて、イエスは目を上げ弟子たちを見て言われた。

「貧しい人々は、幸いである、神の国はあなたがたのものである。

*21*今飢えている人々は、幸いである、あなたがたは満たされる。

今泣いている人々は、幸いである、あなたがたは笑うようになる。

*22*人々に憎まれるとき、また、人の子のために追い出され、ののしられ、汚名を着せられるとき、あなたがたは幸いである。*23*

その日には、喜び踊りなさい。天には大きな報いがある。この人々の先祖も、預言者たちに同じことをしたのである。

*24*しかし、富んでいるあなたがたは、不幸である、あなたがたはもう慰めを受けている。

*25*今満腹している人々、あなたがたは、不幸である、あなたがたは飢えるようになる。

今笑っている人々は、不幸である、あなたがたは悲しみ泣くようになる。


*26*すべての人にほめられるとき、あなたがたは不幸である。この人々の先祖も、偽預言者たちに同じことをしたのである。」



[説教]


主イエスは今日、「平らな所にお立ちにな」り、この世界の中で生きている弟子たちと、福音を分かち合われます。私たちも、主の弟子として、この福音の分かち合いに加わっています。そして、私たちは、主が分かち合ってくださる福音を、日々の生活の中で出会う人と分かち合うように励まされています。


「貧しい人々は幸いである。神の国はあなたがたのものである。」このみことばこそ、福音の中心となるメッセージです。今、貧困や戦争、差別や排除といった、さまざまな困難に苦しんでいる人々のためにこそ、神の国は与えられている。今、飢えている人が満たされる時が、必ず来る。今、泣いている人が笑う日が、必ず来る。まさに、希望のメッセージです。希望の巡礼者である私たちが、宣べ伝える福音です。


しかし、この希望の福音は、ただ言葉で伝えれば良いというメッセージではありません。私たち、主イエスの弟子は、この福音を、貧しい人々とともに生きることで、宣べ伝えるよう招かれているのです。今、苦しんでいる人とともに苦しむことで、今、泣いている人とともに泣くことで、福音を分かち合うよう招かれているのです。そして、神によって満たされ、喜びがもたらされるという希望を分かち合うように招かれているのです。


この希望の福音の実現のために、私たちは今日、この世界の中で、預言者として生きていくように励まされています。ここで、皆様に紹介したい文書があります。日本のカトリック司教協議会社会司教委員会が昨年の11月に発行した、『すべてのいのちを守る教会をめざしてーハンセン病問題

過ちを繰り返さないために』という文書です。この文書は、教会の預言者の役割について、次のように述べています。「預言者の役割とは、時のしるし、特に非人間的、非福音的な動きを読み解き、どのような時代、状況であっても、時には国策や世の中の流れにあらがうことがあっても『すべての人は例外なく神から愛されている』という変わることのない神のメッセージを伝えることです。」預言者は、神の愛に背を向けている人に回心を求めることになります。神の愛に信頼して、「正義を求める人、誠実な人」と、神の国という希望を分かち合い、神の国の完成をめざして、ともに歩むことになります。預言者は、希望の巡礼者なのです。


そして、この文書は、教会が預言者として歩むために、教会の罪の告白と回心への招きから始まります。少し長くなりますが、ここで、文書冒頭の「あいさつ」を分かち合いたいと思います。


「日本のカトリック教会は、ハンセン病との長い関わりを持っています。キリシタン時代から近代に至るまで、多くの司祭、修道者、信徒が患者の治療や世話に献身的に携わってきました。中にはその仕事に生涯を捧げた方もおられます。しかしカトリック教会の指導者である私たち司教は、ハンセン病問題についてはその方々の献身に任せていました。近代以降、とりわけ国による『強制隔離政策』が進む中、ハンセン病に対する偏見差別がつくり出されましたが、私たちはその問題点を問うこともなく、結果として患者、家族の方々に人生被害をもたらすことに加担してしまいました。日本カトリック司教団は、遅まきながら

2019年 7 月に『ハンセン病に関わる日本カトリック司教団の謝罪声明』を発表しましたが、その内容が

不十分であると当事者の方々から厳しい批判を受けました。そのことを重く受け止め、社会司教委員会では、日本のカトリック教会が同じ過ちを二度と繰り返さないために、何をしなければならないのか、何ができるのかを皆で考えようと、この冊子を発行することにいたしました。私たちはこの冊子を活用して、全ての信徒の皆様とともに、ハンセン病問題を学び、何が誤りだったのか、何が足りなかったのかを考え、私たちの人権意識を磨き、ハンセン病問題をはじめとする人権問題に取り組むこ

とができるようにと切望しております。兄弟姉妹の皆様のご協力、ご支援 をよろしくお願いいたします。」


私たちも、この招きに応え、預言者の生き方、希望の巡礼者の歩みとして、この文書を学び、日々の生活の中で活かしたいと思います。そして、「貧しい人々は幸いである。神の国はあなたがたのものである」という福音を宣べ伝えていきたいと思います。


今日の第二朗読で、使徒パウロは、「死者の復活」について説いています。死者の復活とは、すべてのいのちがつながっているということではないでしょうか。過去に生きていたいのち、未来に生まれてくるいのちとつながっているということではないでしょうか。神が、すべてのいのちを大切にされているということではないでしょうか。一人一人の人生の一瞬一瞬が尊い時間であるという福音ではないでしょうか。そして、私たちの希望を支えるものではないでしょうか。「死者の復活」という、いのちの福音、希望の福音を分かち合いながら、希望の巡礼者としての歩みを続けていきたいと思います。

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