top of page

6月23日「年間第12主日」の聖書朗読と説教

  • kiotanblock
  • Jun 18, 2024
  • 7 min read

6月23日「年間第12主日」の聖書朗読と説教


 一場神父から上記説教等が届きましたので掲載します。


◆◆◆


小教区窓口の皆様


いつもお世話になり、ありがとうございます。


6月23日「年間第12主日」の聖書朗読と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、6月23日(日)午前7時に公開予定です。


よろしくお願い致します。


23日は、沖縄の「慰霊の日」です。沖縄に、そして、世界に真の平和が実現しますように、ともにお祈りしたいと思います。皆様のために、お祈りしています。


一場


◆◆◆


【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)



◆◆◆


〔6月23日/年間第12主日〕

【第一朗読/ヨブ38・1、8-11)



(ヨブ記)


*38・1*主は嵐の中からヨブに答えて仰せになった。


*8*海は二つの扉を押し開いてほとばしり母の胎から溢れ出た。

*9*わたしは密雲をその着物とし濃霧をその産着としてまとわせた。

*10*しかし、わたしはそれに限界を定め二つの扉にかんぬきを付け*11*

「ここまでは来てもよいが越えてはならない。

高ぶる波をここでとどめよ」と命じた。

【答唱詩編/詩編107・23+24、28a+29+30、31+32】


神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。

(詩編107)


*107・23*沖に向かって船出する者、

海を渡ってあきないする者、

*24*彼らは大海原で

神の不思議なわざを見た。


*28a*彼らが苦悩の中から神に助けを求めると、

*29*嵐は静められ、海はなぎとなった。

*30*神は彼らを目ざす港に導かれ、

彼らは静かな海を渡った。


*31*人の子らよ、神のいつくしみと

その不思議なわざに感謝せよ。

*32*民のつどいで神をあがめ、

長老の集まりで神をたたえよ。

第二朗読/②コリント5・14-17



(使徒パウロのコリントの教会への手紙)


皆さん、*5・14*

キリストの愛がわたしたちを駆り立てています。わたしたちはこう考えます。すなわち、一人の方がすべての人のために死んでくださった以上、すべての人も死んだことになります。

*15*

その一人の方はすべての人のために死んでくださった。その目的は、生きている人たちが、もはや自分自身のために生きるのではなく、自分たちのために死んで復活してくださった方のために生きることなのです。


*16*それで、わたしたちは、今後だれをも肉に従って知ろうとはしません。肉に従ってキリストを知っていたとしても、今はもうそのように知ろうとはしません。

*17*だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じたのです。

【福音朗読/マルコ4・35-41】


アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

(マルコによる福音)


*4・35*その日の夕方になって、イエスは、「向こう岸に渡ろう」と弟子たちに言われた。*36*

そこで、弟子たちは群衆を後に残し、イエスを舟に乗せたまま漕ぎ出した。ほかの舟も一緒であった。*37*

激しい突風が起こり、舟は波をかぶって、水浸しになるほどであった。*38*

しかし、イエスは艦の方で枕をして眠っておられた。弟子たちはイエスを起こして、「先生、わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」と言った。*39*

イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、「黙れ。静まれ」と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。*40*

イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。まだ信じないのか。」*41*

弟子たちは非常に恐れて、「いったい、この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか」と互いに言った。




【説教】


私たちは今、主イエスとともに歩んでいます。神の国が実現しているという福音を分かち合うために、この世界の中で歩んでいます。神の国とは、神の愛がすべてを包み込んでいくことです。


今日の福音で、主イエスは、弟子である私たちに、「向こう岸に渡ろう」と言われます。向こう岸には、神に愛されていることを知らずに、苦しんでいる人々がいるからです。私たちは、いつも、「向こう岸に渡ろう」という招きに応えています。渡ろうとしている向こう岸は、人によって異なります。自分の目の前にいる人が、向こう岸かもしれません。


そして、向こう岸に渡ろうとする時、「激しい突風が起こり」、私たちは挫折しそうになります。私たちは、神の愛を伝えようとすればするほど、うまくいかなくなるという経験をしています。主イエスの招きに応えて、向こう岸に渡ろうとしているのに、主は、何もしてくださらない。私たちのことに無関心なのではないか。そんな思いを持つことがあります。神の愛を伝えようとしている私たちが、神の愛を疑いたくなることがあります。神に愛されているという信仰を失いそうになることがあります。


今日の福音は、主が、「艫の方で枕をして眠っておられた」と伝えています。主は、船首に立って、私たちを励ましておられるのではないのです。船尾で、

静かに眠っておられるのです。

しかし、どのような時にも、主イエスは、私たちとともにおられます。私たちが乗っている舟に、主も乗っておられます。主とともに、同じ舟に乗って、向こう岸に渡ろうとするからこそ、さまざまな困難を経験することになるのです。私たちが経験する困難は、主がともにおられる証しなのです。主がおられなければ、私たちは、向こう岸に渡ろうとすることもなかったでしょう。神の愛を知らなければ、渡る必要も感じなかったでしょう。戦争や自然災害が起こり度に、ともに祈ることもなかったでしょう。支援や募金について、時間をかけて話し合い、活動することもなかったかもしれません。自分や、自分の身内さえ良ければ、あとの人はどうなっても構わないと思いで、今いるところにとどまったでしょう。とどまることで、満足したでしょう。しかし、今日、使徒パウロが力強く宣言しているように、「キリストの愛がわたしたちを駆り立ててい」るのです。だから、私たちは、向こう岸に渡ろうとしているのです。


福音書の中で、「弟子たちはイエスを起こして」、助けを求めます。主は、「起き上がって」、風を静めてくださいます。主は、弟子たちに、「なぜ怖がるのか。まだ信じないのか」と言われます。このやりとりは、私たちに、祈りについて大切なことを示しています。祈りは、神が自分を見捨てられるのではないかと、疑い、怖がってささげる必要はありません。自分がどのような状況にあっても、神は私を愛し続けておられると信じて、神の愛に応えたいと願って、ささげればよいのです。私たちは、おぼれたくないから祈るのではありません。主とともに、「向こう岸」に着いて、主の愛に応えて生きていきたいから祈るのです。使徒パウロが、はっきりと述べているように、「自分自身のために生きるのではなく、自分たちのために死んで復活してくださった方のために生きること」を願って、祈るのです。今、主イエスのために生きることが難しいからこそ、祈るのです。


今日の朗読で、もう一つ考えたいことがあります。今日の「聖書と典礼」の注で、古代において、「海は悪の領域と考えられた」と説明され、「悪の領域である海はイエスによって治められる」という解釈が示されています。確かにその通りだと思います。しかし、現代に生きる私たちは、海が、いのちの始まりの場であり、私たちのいのちを支えていることを忘れないようにしたいと思います。その意味で、神が創造された海に、恐れと感謝の心で関わっていきたいと思います。私たち人間が、海を悪いところとしてしまわないようにしたいと思います。


私たちは、これから、「向こう岸に渡ろう」という招きに応えて、主イエスが乗っておられる、共同体という舟に乗って、新たな旅を始めます。向こう岸とは、理想世界ではありません。私たちが生きている現実世界です。向こう岸では、さらに大きな困難がまた受けているかもしれません。しかし、「キリストの愛がわたしたちを駆り立てて」います。向こう岸で困難が大きくなるとしたら、そこは、私たちの愛も大きくなるところだと言えます。「キリストの愛がわたしたちを駆り立てて」います。主イエスがおられる舟に乗って、ともに、「向こう岸に渡」りましょう。

Recent Posts

See All
4月17日「主の晩餐の夕べのミサ」の福音朗読と説教

4月17日「主の晩餐の夕べのミサ」の福音朗読と説教、  一場神父から上記説教等が届きましたので掲載します。 ◆◆◆ 京丹ブロックの皆様 いつもお世話になり、ありがとうございます。 4月17日「主の晩餐の夕べのミサ」の福音朗読と説教、4月18日の「主の受難」の受難の朗読と説教...

 
 
 
4月13日「受難の主日」の受難の朗読と説教

4月13日「受難の主日」の受難の朗読と説教  一場神父から上記説教等が届きましたので掲載します。 ◆◆◆ 京丹ブロックの皆様 いつもお世話になり、ありがとうございます。 4月13日「受難の主日」の受難の朗読と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、4月13日(日)午前7時...

 
 
 
3月30日「四旬節第4主日」の聖書朗読と説教

3月30日「四旬節第4主日」の聖書朗読と説教  一場神父から上記説教等が届きましたので掲載します。 ◆◆◆ 京丹ブロックの皆様 いつもお世話になり、ありがとうございます。 3月30日「四旬節第4主日」の聖書朗読と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、3月30日(日)午前...

 
 
 

Comments


bottom of page