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9月29日「年間第26主日」の聖書朗読と説教

9月29日「年間第26主日」の聖書朗読と説教


 一場神父から上記説教等が届きましたので掲載します。


◆◆◆


小教区窓口の皆様


いつもお世話になり、ありがとうございます。


9月29日「年間第26主日」の聖書朗読と説教をお送り致します。「ことばの祭儀」は、29日(日)午前7時に公開予定です。


よろしくお願い致します。29日は、丹波教会亀岡聖堂において、午前10時から、京丹ブロック合同ミサがささげられます。季節の変わり目で、体調を崩しやすい時です。どうぞご自愛ください。皆様のために、いつもお祈りしています。


一場


◆◆◆


【一場神父のyoutubeチャンネル】(ミサ及び講座)



◆◆◆


〔9月29日/年間第26主日〕【第一朗読/民数記11・25-29】



(民数記)


その日、*11・25*

主は雲のうちにあって降り、モーセに語られ、モーセに授けられている霊の一部を取って、七十人の長老にも授けられた。霊が彼らの上にとどまると、彼らは預言状態になったが、続くことはなかった。


*26*

宿営に残っていた人が二人あった。一人はエルダド、もう一人はメダドといい、長老の中に加えられていたが、まだ幕屋には出かけていなかった。霊が彼らの上にもとどまり、彼らは宿営で預言状態になった。

*27*一人の若者がモーセのもとに走って行き、エルダドとメダドが宿営で預言状態になっていると告げた。*28*

若いころからモーセの従者であったヌンの子ヨシュアは、「わが主モーセよ、やめさせてください」と言った。*29*

モーセは彼に言った。「あなたはわたしのためを思ってねたむ心を起こしているのか。わたしは、主が霊を授けて、主の民すべてが預言者になればよいと切望しているのだ。」

【答唱詩編/詩編19・8、10、12】


主よ、あなたは永遠のいのちのことば。

(詩編19)


*19・8*神の教えは完全で、魂を生き返らせ、

そのさとしは変わらず、心に知恵をもたらす。


*10*神のことばは正しく、世々に及び、

そのさばきは真実で、すべて正しい。


*12*神よ、あなたのしもべはこれに教えられ、

それを守る人は豊かな恵みを受ける。

【第二朗読/ヤコブ5・1-6】



(使徒ヤコブの手紙)


*5・1*富んでいる人たち、よく聞きなさい。自分にふりかかってくる不幸を思って、泣きわめきなさい。*2*あなたがたの富は朽ち果て、衣服には虫が付き、

*3*

金銀もさびてしまいます。このさびこそが、あなたがたの罪の証拠となり、あなたがたの肉を火のように食い尽くすでしょう。あなたがたは、この終わりの時のために宝を蓄えたのでした。

*4*御覧なさい。畑を刈り入れた労働者にあなたがたが支払わなかった賃金が、叫び声をあげています。刈り入れをした人々の叫びは、万軍の主の耳に達しました。

*5*あなたがたは、地上でぜいたくに暮らして、快楽にふけり、屠られる日に備え、自分の心を太らせ、*6*

正しい人を罪に定めて、殺した。その人は、あなたがたに抵抗していません。

【福音朗読/マルコ9・38-43、45、47-48】


アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは真理。わたしたちを真理のうちに聖なる者にしてください。アレルヤ、アレルヤ。

(マルコによる福音)


そのとき、*9・38*

ヨハネがイエスに言った。「先生、お名前を使って悪霊を追い出している者を見ましたが、わたしたちに従わないので、やめさせようとしました。」*39*

イエスは言われた。「やめさせてはならない。わたしの名を使って奇跡を行い、そのすぐ後で、わたしの悪口は言えまい。*40*

わたしたちに逆らわない者は、わたしたちの味方なのである。*41*

はっきり言っておく。キリストの弟子だという理由で、あなたがたに一杯の水を飲ませてくれる者は、必ずその報いを受ける。


*42*わたしを信じるこれらの小さな者の一人をつまずかせる者は、大きな石臼を首に懸けられて、海に投げ込まれてしまう方がはるかによい。*43*

もし片方の手があなたをつまずかせるなら、切り捨ててしまいなさい。両手がそろったまま地獄の消えない火の中に落ちるよりは、片手になっても命にあずかる方がよい。

*45*

もし片方の足があなたをつまずかせるなら、切り捨ててしまいなさい。両足がそろったままで地獄に投げ込まれるよりは、片足になっても命にあずかる方がよい。

*47*

もし片方の目があなたをつまずかせるなら、えぐり出しなさい。両方の目がそろったまま地獄に投げ込まれるよりは、一つの目になっても神の国に入る方がよい。

*48*地獄では蛆が尽きることも、火が消えることもない。」



[説教]


今日は、「世界難民移住移動者の日」です。この日、私たち教会は、「国籍を超えた神の国を求めて、真の信仰共同体を築き、全世界の人々と『ともに生きる』決意を新たに」します。今日の福音で、エルサレムでの受難への道を歩まれる主イエスは、この道こそ、神の国の完成への道であることを示されます。そして、すべてのいのちが、この道をともに歩むよう招かれていることを明らかにされます。国籍を超えた、真の神の国を目指して歩んでいくことは、すべてのいのちを守る道を歩んでいくことなのです。この歩みを続けていく決意を新たにするために、私たちは今、「すべてのいのちを守るための月間」を過ごしているのです。


今日の福音は、主イエスの名を「使って悪霊を追い出している者」について伝えています。主の弟子たちは、この人を自分たちに従わせようとします。自分たちのグループに入らせようとします。しかし、拒否されます。そこで、弟子たちは、この人が宣教を続けることをやめさせようとします。そんな弟子たちに、主は言われます。

「やめさせてはならない。…わたしたちに逆らわない者はわたしたちの味方なのである」と。

主の名とは、神の愛のことなのです。神の国で得られるいのちのことなのです。

主の名を使って悪霊を追い出すことは、苦しんでいる人と主の愛を分かち合うことです。神が与えてくださるいのちを分かち合うことです。いのちの国である神の国の喜びを広げていくことです。そして、愛といのちの分かち合いは、すべての人に開かれています。特定のグループだけが行なっていることではありません。こうした分かち合いが、特定のグループに限られるならば、独占されるならば、神の国は息ができなくなり、消えてしまいます。神の国とは、愛といのちの分かち合いが広がっていくことなのです。グループの枠を超えて、国籍を超えて広がっていく分かち合いなのです。神の国は、主が宣言される通り、すでに来ています。しかし、まだ完成していません。神の国は、日々、大きくなっていく愛といのちなのです。すべての人が、愛を大きくしていくことが、神の国なのです。主の「やめさせてはならない」という御言葉は、神の国が大きくなるのをとめてはならないということなのです。愛といのちを生きる仲間として、皆で、ともに歩んでいこうという招きの言葉なのです。


そして、主イエスは、私たちがしてはならない、やめなければならないことも告げておられます。それは、主を「信じるこれらの小さな者の一人をつまずかせる」ことです。今日の世界の状況を目のあたりにする時、私たちは、主を、主が宣言される神の国を信じられなくなることがあります。神の国は、私たちの理想です。しかし、この理想を実現していく道は、苦難の道です。歩もうとすればするほど、苦難が大きくなっていく道です。だから、苦難の道を避けて、理想を実現することを望むことは、私たち弱い人間にとって、自然なこと、現実的なことです。しかし、こうした苦難があっても、なお、主が告げる神の国を信じて、その完成を目指して歩んでいる人たちがいます。苦難の道を避けたくとも、避けられず、必死に歩んでいる人たちがいます。自分の国にとどまることができず、限られた道を通って、他の国に行かなければならない人たちがいます。こうした、苦難に満ちた道を、神の国の完成を信じて歩んでいる人たちがいます。神の国の完成という希望を持って、神の国という愛に支えられて、歩んでいる人たちがいます。難民移住移動者といわれる人たちは、こうした人たちであると言えます。主は、こうした人たちの歩みを妨げてはならないと言っておられるのです。こうした人たちの歩みに加わるように招いておられるのです。もし、こうした人たちを歩みを妨げるならば、こうした人たちの歩みに加わらないならば、神の国に入ることはできないと宣言しておられるのです。


今年の、「世界難民移住移動者の日」の教皇メッセージのテーマは、「神はその民とともに歩まれる」です。神は、難民移住移動者である人たちとともに歩んでおられます。このメッセージでは、さらに、次のように述べられています。「神は、ご自分の民とともに歩むだけでなく、ご自分の民の中でも歩んでおられるます」と。私たちと同じ人間となられた神、主イエスは、私たちの一人として、難民移住移動者の一人として、歩んでおられるのです。私たちは、国籍を超えた神の国に向かって歩んでおられる主に、難民移住移動者の一人である主に従って歩むように招かれているのです。十字架という苦難への道であり、神の国という復活への道を、ともに歩むように、今日、励まされているのです。




※2024年「世界難民移住移動者の日」教皇メッセージ(2024.9.29) | カトリック中央協議会↓

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